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【台湾旅行持ち物リスト完璧版】印刷できるチェックリスト付

初めての台湾旅行、すごく楽しみですよね。でも、それと同時に「持ち物って何が必要なんだろう?」「パッキングの方法がよく分からない…」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。特に、2泊3日くらいの短い旅行だと、スーツケースはいらないのか、なんてことも気になるところです。
何を隠そう、40代になった今でこそ旅慣れたように振る舞っていますが、私も最初の頃は忘れ物をしたり、逆に不要なものまで持って行ってパンパンのスーツケースに悪戦苦闘したりと、色々な失敗を経験してきました。だからこそ、あなたのそんな悩みが手に取るように分かります。
この記事では、私の経験をすべて注ぎ込み、台湾旅行の持ち物に関するあらゆる疑問を解決していきます。単なるリストアップではなく、なぜそれが必要なのか、どう準備すれば快適な旅になるのか、その背景までしっかりお伝えしますね。これを読めば、もうパッキングで迷うことはありません。
記事のポイント
- 印刷してそのまま使える、経験に基づいた完璧な持ち物チェックリストが手に入ります
- 私の失敗談から学ぶ、効率的でスマートなパッキングのコツが分かります
- 台湾のコンセント事情や両替、保険など、出発前の金銭的・手続き的な不安を解消できます
- 子連れ旅行や防衛策、旅の質を上げる快適ギアなど、目的別の特別な持ち物も詳しく解説します
【台湾旅行持ち物リスト完璧版】印刷できるチェックリスト

さて、ここからは具体的な持ち物について見ていきましょう。まずは基本となる持ち物リストから、パッキングの技術、そして台湾ならではの事情まで、順を追って解説していきますね。
このセクションで解説する内容
これで安心!必須持ち物のチェックリスト

何はともあれ、これだけは絶対に忘れてはいけない、という必須アイテムから確認していきましょう。私自身、若い頃にうっかりパスポートを忘れそうになった苦い経験があり、それ以来、自作のチェックリストを印刷して指差し確認を徹底しています。
ただ、多くの旅行ガイドブックに載っているような画一的なリストでは、正直なところ不十分だと感じています。なぜなら、旅のスタイルや目的によって「完璧な準備」は全く異なるからです。そこで今回は、単なる持ち物の羅列ではなく、あなたの旅に合わせてカスタマイズできる「台湾旅行準備システム」という考え方で、究極のチェックリストを再構築してみました。
このシステムの使い方はとてもシンプルです。まず、全員に共通する「コア・モジュール(基本装備)」を準備します。その上で、ご自身のタイプに合わせて「①慎重派向け安心パック」「②子連れファミリー向けキット」「③高機能トラベルギア」の中から、必要な追加モジュールを選んで、あなただけの最強リストを完成させてください。これ一枚で、あらゆる不安を解消できるはずですよ。
カテゴリ | 持ち物 | チェック | ワンポイント解説(なぜ台湾で特に重要か?) |
---|---|---|---|
コア・モジュール (全員必須) | パスポート(残存有効期間を確認) | ☐ | 【最重要】言わずもがなですが、残存期間は必ず確認を。台湾は公式には「滞在予定日数以上」とされていますが、不測の事態に備え、個人的には「3ヶ月以上」の余裕がある状態を強く推奨します。 |
航空券(eチケットお客様控え) | ☐ | スマホ画面だけでなく、念のため1部印刷しておくと、万が一のスマホ紛失やバッテリー切れの際に心底安心できます。私は必ず紙でも持っていきますね。 | |
現金(日本円と少額の台湾ドル) | ☐ | 空港から市内への交通費や、到着後すぐに使う少額の台湾ドル(目安:1人1〜2万円分)は日本で両替しておくとスムーズです。大部分は現地到着後に両替する方がレートが良いことが多いですよ。 | |
クレジットカード(複数ブランド) | ☐ | VISA/Mastercardが主流です。JCBも使えるお店が増えていますが、万が一に備え、異なる国際ブランドのカードを2枚以上持っていくのがリスク管理の基本です。 | |
海外旅行保険証 | ☐ | これも必須です。病気やケガ、盗難など、何が起こるか分かりません。クレジットカード付帯の保険を利用する場合も、補償内容や現地での連絡先は必ず事前に確認・印刷しておきましょう。 | |
各種予約確認書(ホテル・ツアー等) | ☐ | 航空券同様、スマホのオフラインフォルダと紙の両方で準備しておくと盤石です。ホテルの住所や電話番号がすぐに分かると、タクシー移動の際にも便利です。 | |
コア・モジュール (デジタル関連) | スマートフォン・充電器 | ☐ | 地図、翻訳、決済、連絡手段と、もはや生命線。充電器やケーブルは、故障に備えて予備が一つあると精神的にかなり楽になります。 |
モバイルバッテリー | ☐ | 地図アプリを使いながらの街歩きは、想像以上にバッテリーを消耗します。少なくともスマホを1回フル充電できる容量(10,000mAh程度)は欲しいところです。 | |
海外用通信手段(Wi-Fi/SIM/eSIM) | ☐ | 調べ物や連絡に必須。eSIMなら物理的なSIMの抜き差しが不要で紛失リスクもなく、最近の私のお気に入りです。ご自身のスマホの対応状況を確認してみてください。 | |
変換プラグ(Aタイプ) | ☐ | 台湾のプラグは日本と同じAタイプなので、基本的には不要です。ただ、古いホテルなどでは稀に形状が合わないこともあるため、心配な方は一つあると安心かもしれません。 | |
①慎重派向け 安心パック | 常備薬・絆創膏 | ☐ | 普段から飲み慣れている胃腸薬、頭痛薬、風邪薬は必ず持参しましょう。台湾の薬局でも購入できますが、成分が合わない可能性や、探す手間を考えると持参が賢明です。 |
各種証明書のコピー・データ | ☐ | パスポート(顔写真ページ)、航空券、保険証などをコピーし、スーツケースと手荷物に分散。さらにスマホやクラウド上にも写真を保存しておけば、紛失時のリスクを極限まで減らせます。 | |
除菌ウェットティッシュ・ジェル | ☐ | 夜市やローカル食堂では、おしぼりが出ないことがほとんど。食事前や、ちょっと手が汚れた時に、さっと使える除菌グッズは台湾の街歩きに欠かせません。 | |
ボールペン | ☐ | 機内で配られる入国カードの記入に必須。借りることもできますが、一本持っているだけで、スマートに手続きを進められます。 | |
紛失防止タグ(AirTagなど) | ☐ | スーツケースや、パスポート等の貴重品を入れたバッグに付けておくと、万が一の置き忘れや紛失時にスマホで位置情報を確認できます。発見の確率が格段に上がり、何より「どこにあるか分かる」という精神的な安心感は絶大です。 | |
②子連れファミリー 向けキット | 子供用の常備薬一式 | ☐ | 解熱剤(アセトアミノフェン系など)、下痢止め、整腸剤、虫刺されの薬、痒み止め、体温計など。急な発熱や体調不良に備え、小児科で処方してもらったものがあると最も安心です。 |
虫除け・日焼け止め(子供用) | ☐ | 台湾、特に公園など緑の多い場所では蚊がいます。デング熱のリスクもゼロではないため、肌に優しい子供用の虫除けは必須。日差しも強いので日焼け止めも忘れずに。 | |
使い慣れた食器・食事用エプロン | ☐ | 小さなお子様がいる場合、お店によっては子供用のカトラリーがないことも。環境が変わると食が進まない子のために、いつもの食器があると安心材料になります。 | |
ぐずり対策グッズ | ☐ | 機内や待ち時間で活躍する、音の出ないおもちゃ、シールブック、お絵かきセットなど。新しいアイテムを一つ忍ばせておくと、子供の気分転換に効果的です。 | |
③高機能 トラベルギア | 速乾性・防臭機能のある衣類 | ☐ | 夏の台湾は平均湿度80%超。綿のTシャツは汗を吸うと乾かず不快指数が急上昇します。ポリエステルやメリノウール素材の衣類なら、汗をかいても快適で、洗濯してもすぐ乾きます。 |
高性能な携帯扇風機 | ☐ | 風のない屋外や、熱気のこもる夜市では、これがあるかないかで快適度が全く違います。選ぶなら、風量が強く、長時間使えるモデルがおすすめです。 | |
晴雨兼用の軽量折りたたみ傘 | ☐ | 夏の午後はスコール(ゲリラ豪雨)が頻発します。日中は強烈な日差しを防ぐ日傘として、急な雨には傘として、一日中カバンに入れておきたいマストアイテムです。 | |
防水スプレー・防水バッグ | ☐ | 突然の豪雨からカメラやスマホ、財布などを守るために。リュックやカバンに防水スプレーをかけておくだけでも効果があります。心配なら、電子機器用の防水ポーチがあると完璧です。 |
パスポートの残存期間、もう一度確認を!
前述の通り、台湾入国時のパスポート残存有効期間は「滞在予定日数以上」と定められています。しかし、これはあくまで最低条件です。例えば、旅行中に不慮の事故や病気で滞在が延びてしまった場合、有効期間がギリギリだと更新手続きが必要になるなど、非常に面倒な事態に陥る可能性があります。私がもしアドバイスするなら、「有効期間が6ヶ月未満なら、次の旅行の予定がなくても更新しておく」のが、最も安心できる備えだと考えます。
【2025年最新情報】台湾ホテルのアメニティ事情
これも非常に重要な変更点です。台湾では環境保護のため、2025年から段階的に、ホテルでの使い捨てアメニティの提供が規制されることになりました。具体的には、歯ブラシ、歯磨き粉、カミソリ、くし、シャワーキャップなどが客室に置かれなくなります。シャンプー類も、小分けのボトルではなく、備え付けの大きなポンプ式に切り替わっています。
もちろん、フロントで有料で購入できたり、申し出ればもらえるホテルもありますが、確実ではありません。特にこだわりのある方はもちろん、そうでない方も、普段から使い慣れたものを持参するのが、一番確実で快適に過ごせる方法だと断言できます。
失敗しない台湾旅行の持ち物パッキング方法

持ち物リストが完成したら、次は旅の快適さを左右する重要な工程、パッキングです。言ってしまえば、パッキングは単なる「物を詰める作業」ではありません。これは、旅先での時間と心の余裕を生み出すための「技術」だと、私は考えています。私も昔は、ただ力任せに詰め込むだけで、出発前にはスーツケースがパンパンになり、旅先では必要なものがどこにあるか分からなくなる、なんて失敗を繰り返していました。
しかし、いくつかのコツと考え方を身につけただけで、驚くほどスマートに、そして合理的に荷物をまとめられるようになったんです。今回は、よく言われる「衣類を丸める」といった初歩的なテクニックから一歩踏み込んで、あなたの台湾旅行を劇的に快適にする、私の実践するパッキング術と思想をお話しします。
まず、私が最も大切にしているのは、「使う順番」を意識して詰めることです。スーツケースを開けた面を「1軍」、その下を「2軍」と考える感じですね。例えば、初日に着る服やホテルですぐに使う洗面用具、パジャマなどは、取り出しやすい「1軍」のエリアに配置します。逆に、旅行の後半で着る服やお土産用のスペースは「2軍」のエリアに。こうするだけで、ホテルに到着してから荷物を全部ひっくり返して探す、という無駄な時間をなくせるのです。
次に、化粧水やシャンプーといった液体類。これらは、万が一の液漏れを防ぐため、ジップロックのような密閉袋に入れるのが基本中の基本です。さらに安心感を高めるなら、容器のキャップ部分にラップを挟んでから閉める方法も有効でしょう。しかし、ここからが私のこだわりです。
ここからは私の個人的な見解ですが、そもそも「液体物を極力減らす」という発想の転換が、パッキングを次のステージへ引き上げてくれます。最近は、固形のシャンプーやコンディショナー、さらにはシートタイプのメイク落としや歯磨き粉など、便利なアイテムがたくさんあります。これらは液漏れの心配がゼロになるだけでなく、機内持ち込みの制限も気にしなくて済むようになります。特に、お子様連れで荷物が多くなりがちな方や、私のように身軽さを重視する旅人には、一度試す価値のある選択肢だと感じています。
パッキングを「技術」に昇華させる神アイテム「パッキングキューブ」
パッキングをさらに効率的に、そして戦略的にしてくれるのが、パッキングキューブ(トラベルポーチ)です。これを使うメリットは、単に「スーツケースの中がごちゃごちゃにならない」だけではありません。旅の質を上げるための、もっと深い利点があるのです。
私が考えるパッキングキューブの真価は、その「モジュール性」にあります。「トップス用」「下着・靴下用」「ガジェット用」「子供のおもちゃ用」とキューブを分けることで、スーツケースの中が整理されるのはもちろん、ホテルに到着したらキューブごとクローゼットの棚に移すだけで荷解きがほぼ完了します。これは本当に快適ですよ。
最近では、衣類を圧縮できる機能がついたものも主流になってきました。一般的な圧縮機能付きのキューブを使えば、衣類の体積をおおよそ30%から50%も削減できると言われています。ただし、これには少し注意が必要です。
- ファスナーで圧縮するタイプ: 手軽で、衣類がそこまでシワになりにくいのが利点です。ただし、圧縮率は手で空気を抜くタイプよりは控えめな感じがします。初心者の方や、手軽さを重視する方にはこちらがおすすめです。
- 手で丸めて空気を抜く真空圧縮タイプ: 圧縮率が非常に高く、冬物のセーターなどかさばる衣類に絶大な効果を発揮します。その一方、衣類がかなりシワになりやすいというデメリットも。シワが気にならない下着やタオル類に限定して使うのが、私なりの上手な付き合い方です。
このように、何でもかんでも圧縮するのではなく、衣類の種類や素材によってパッキングの方法や使う道具を変える。これが出来れば、あなたはもうパッキングの初心者ではありません。旅の準備そのものを楽しめる、上級者の仲間入りです。
2泊3日ならスーツケースいらない?機内持ち込み術

「2泊3日くらいの短い旅行なら、大きなスーツケースは本当に必要なのか?」これは、特に台湾のように比較的近距離の旅で、多くの人が一度は考えるテーマですよね。結論から急ぐのではなく、ここでは一度立ち止まって、「機内持ち込みスタイル」と「受託手荷物スタイル」、それぞれのメリットとデメリットを客観的なデータに基づいて徹底的に比較してみたいと思います。最終的にご自身の旅の目的に合ったスタイルを選ぶための、判断材料にしてください。
【Style 1】機動性と効率を極める「機内持ち込み」スタイル
まず、バックパックや小型のキャリーケース一つで旅をする、機内持ち込みスタイルです。私がこのスタイルを選ぶのは、フットワークの軽さを最優先したいときですね。
▼メリット
- 時間の節約:これが最大の利点かもしれません。空港で荷物を預け、到着地でターンテーブルの前で待つ時間。この往復の時間を、経験上少なくとも30分~60分は節約できます。この時間は、現地の滞在時間に直結します。
- コスト削減(特にLCC):LCCを利用する場合、受託手荷物は基本的に有料です。航空会社や予約タイミングにもよりますが、片道あたり3,000円から5,000円程度の追加料金がかかることも。往復で考えれば、決して無視できない金額になります。
- 圧倒的な機動力:台北のMRT(地下鉄)は非常に便利ですが、出口によっては階段しかない場所もまだあります。また、九份のような石畳の坂道が多い観光地では、スーツケースを引いて歩くのはかなりの重労働。バックパック一つであれば、こうした場面でもストレスなく移動できます。
▼デメリットと注意点
- 厳しい容量・重量制限:ほとんどの日系・台湾系航空会社では、機内持ち込み手荷物は7kgまでという重量制限があります。この7kgが、実のところかなりシビアです。例えば、お土産の定番であるパイナップルケーキは、1箱(10個入り程度)で約500g~1kgの重さがあります。数箱買うだけで、あっという間に重量制限に近づいてしまうのです。
- 液体物の制限:これは国際線の鉄則ですが、「100ml(g)を超える容器に入った液体物は持ち込み不可」です。普段使っている化粧水やヘアワックスが規定量を超えていないか、必ず確認してください。うっかりお土産に買ったお酒や美容液が保安検査で没収される、という悲劇は避けたいものです。
【Style 2】安心と自由を買う「受託手荷物」スタイル
一方、従来通りのスーツケースを預けるスタイルです。特に、ご家族での旅行や買い物を楽しみたい方にとっては、こちらのメリットが上回ることが多いでしょう。
▼メリット
- 容量からの解放:液体物の量を気にしたり、お土産の重さを心配したりする必要が全くありません。この精神的な余裕は、旅の満足度を大きく向上させます。パイナップルケーキを心置きなく箱買いしたり、かさばる茶器セットに一目惚れしてしまったり、といった旅先での出会いを逃さない自由があります。
- 万全の準備が可能:特に小さなお子様連れの場合、「備えあれば憂いなし」です。急な体調不良に備えた多めの着替え、オムツ、万が一の常備薬など、心配事を解消するためのアイテムを気兼ねなく詰め込める安心感は、何物にも代えがたい価値があるのではないでしょうか。
▼デメリット
- 時間とコスト:これは機内持ち込みスタイルの裏返しで、空港での待ち時間と、利用する航空会社によっては追加料金が発生します。
- 移動時の負担:前述の通り、街中での移動、特に公共交通機関を利用する際には、大きなスーツケースが負担になる場面もあります。
ここでもし、旅行のリスク管理の専門家が助言するなら、こんな視点もあるかもしれません。「手荷物を一つにまとめる機内持ち込みスタイルは、航空会社によるロストバゲージ(荷物の紛失)のリスクをゼロにする、最も確実な方法です」と。一方で、「貴重品や絶対に無くしたくない数日分の必需品を手荷物に、残りをスーツケースで預けるのは、リスクを分散するという考え方にも繋がります」と。
どちらが正解というわけではなく、あなたが何を優先するかで最適な選択は変わってきます。ちなみに、現地調達を考えるなら、台湾のドラッグストア「屈臣氏(Watsons)」や「康是美(COSMED)」は本当に便利です。日本の製品も多いですが、例えば台湾ブランドの高品質なシートマスクは1箱10枚入りで200~300元(約900~1,350円)程度から購入でき、自分用にもお土産にも最適ですよ。このように、現地での楽しみを視野に入れて荷物を決めるのも、また一つの旅の形だと思います。
スマホ充電は大丈夫?台湾のコンセントの形

海外旅行で地味に、しかし確実に気になるのが、コンセントの形状と電圧の問題ではないでしょうか。せっかく持って行った電子機器が充電できない、なんて事態は絶対に避けたいものです。ここでは、まず台湾の電源事情に関する基本的な知識で不安を解消し、その上で、旅の荷物を劇的に軽く、そして快適にする最新の充電戦略についてもお話しします。
台湾の電源事情 – まずは基本の確認から
結論から言うと、台湾でのスマートフォンの充電は、ほとんどの場合、特別な準備は不要です。
まず、コンセントの形状ですが、これは日本と同じ「Aタイプ」です。プラグの形が同じなので、変換プラグを持っていく必要は基本的にありません。これは非常に楽ですよね。
次に、電圧には少しだけ違いがあります。日本の電圧が100Vであるのに対し、台湾は110Vです。このように言うと、少し不安になるかもしれませんが、これも大抵の場合、問題にはなりません。なぜなら、あなたが普段使っているスマートフォンやカメラのACアダプター(充電器)は、その多くが100Vから240Vまでの幅広い電圧に対応している「グローバル仕様」になっているからです。
お手元のACアダプターを一度、ご確認ください
念のため、お持ちの充電器の裏側にある小さな文字を見てみてください。「入力」や「INPUT」といった項目の横に「100-240V」のような記載があれば、それは変圧器なしで台湾の110Vコンセントにそのまま差し込んで使うことができます。おそらく、お持ちのスマホやデジカメの充電器のほとんどが、このタイプのはずです。
ただし、注意が必要なのはヘアアイロンやドライヤーなど、熱を発する一部の製品です。これらは消費電力が大きく、海外の電圧に対応していない場合が稀にあります。対応していない製品を無理に使うと故障や事故の原因にもなりかねないので、必ず仕様を確認するようにしてください。
旅を最適化する「充電戦略」- 荷物はもっと賢く、軽くできる
さて、ここまでは基本的なお話でした。旅に慣れた方や、私のようにガジェット好きな方なら、もう一歩先の最適化を目指したいところではないでしょうか。
考えてみてください。スマートフォン、モバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホン、カメラ、人によってはスマートウォッチやタブレット、ノートPCまで。現代の旅行では、充電が必要なデバイスが本当に増えました。これらすべての充電器とケーブルを持っていくと、カバンの中はあっという間にごちゃごちゃになってしまいますよね。
ここからは私の個人的な見解ですが、この問題を解決し、旅の質を劇的に向上させてくれるのが、「GaN(窒化ガリウム)」という新素材を採用した充電器です。
「ガン」と読むこの新素材を使った充電器の利点は、主に三つあります。
- 圧倒的な小型・軽量化:従来の充電器と比べて、同じパワーでも驚くほど小さく軽くなっています。クレジットカードの半分ほどのサイズで、ノートPCすら充電できてしまうモデルも珍しくありません。
- パワフルな高出力:スマホの急速充電はもちろん、タブレットやノートPCの充電にも対応できる65W以上の高出力モデルが豊富です。これ一つあれば、あらゆるデバイスの充電を任せられます。
- 便利な複数ポート:USB-CやUSB-Aのポートを複数搭載しているものが多く、たった一つのコンセントから、家族全員のスマートフォンやモバイルバッテリーを同時に充電、といったことが可能になります。これは、コンセントの数が限られているホテルで本当に重宝しますよ。
例えば、市場ではAnkerの「Nano II」や「Prime」シリーズ、CIOの「NovaPort」シリーズといった製品が人気を集めています。私がこうした最新の充電器に投資する理由は、単に荷物が減るからだけではありません。旅先で「どの充電器がどの機器のだっけ?」と悩む時間や、コンセントの奪い合いから解放される。この「ストレスフリー」な状態こそが、旅の満足度を上げてくれる、価値ある投資だと感じています。
旅が快適になる!目的別の追加持ち物と裏技

基本的な準備がわかったところで、ここからは一歩踏み込んで、あなたの旅をさらに快適で特別なものにするためのアイテムや知識をご紹介します。子連れ旅の不安から、最近気になる衛生問題、さらには旅の質を劇的に上げる快適ギアまで、私の経験から得た知恵を共有させてください。
このセクションで解説する内容
【子連れ編】常備薬からぐずり対策まで安心グッズ

小さなお子さんを連れての海外旅行、楽しみな気持ちと同じくらい、準備の大変さや不安が心をよぎりますよね。私も子供たちがまだ小さかった頃、初めての海外旅行の前夜は「何か忘れ物はないか」「現地で熱でも出したらどうしよう」と、スーツケースの前で何度も頭を抱えた経験があります。だから、心配性のママのお気持ちは、痛いほどよく分かります。
でも、大丈夫。これからお話しするポイントさえ押さえれば、不安は自信に変わり、台湾は最高の家族旅行の思い出の場所になります。ここでは、私が多くの先輩パパ・ママから教わり、実際に「これは本当に持っていって良かった!」と心から思った、具体的なアイテムと考え方をお伝えしますね。
【最優先事項】健康と衛生を守る「お守りセット」
何はともあれ、お子さんの体調管理が一番大切です。現地の薬局でも薬は買えますが、言葉の壁や、成分が体に合うかという心配を考えると、やはり使い慣れたものを日本から持っていくのが賢明です。
- 子供用の常備薬:「解熱剤」と一口に言っても、普段からお子さんが飲んでいる、かかりつけ医に確認済みの「アセトアミノフェン系」のシロップや座薬を持っていくのがベストです。それに加えて、整腸剤、絆創膏、消毒液も必須。絆創膏は、子供が好きなキャラクターのものだと、嫌がらずに貼らせてくれるのでおすすめですよ。
- 虫対策グッズ(ここは徹底を!):ここだけの話、台湾の蚊は、特に公園など緑の多い場所ではかなり手強い印象です。日本の虫除けも効きますが、私が友人から勧められて効果を感じたのは、「イカリジン」という成分を配合した製品です。肌への刺激が比較的少ないとされており、年齢制限の面でも小さな子供に使いやすいものが多いので、一度チェックしてみてください。刺されてしまった後のために、子供用の弱いステロイド成分の入った痒み止めもあると万全です。
- 除菌グッズの使い分け:食事前の手指の消毒は欠かせません。私の場合、子供の口周りも拭ける「ノンアルコールタイプ」のウェットティッシュと、テーブルなどを拭くための「アルコール入り除菌タイプ」の2種類を常に持ち歩いていました。この使い分けが、意外と便利なんです。
【最大の難関】移動と待ち時間を乗り切る「ご機嫌セット」
飛行機の中や、人気店の行列、食事中の待ち時間…。子供が退屈し始めると、親は冷や汗が出ますよね。この時間を平和に乗り切るための「神アイテム」は、いくつか用意しておきましょう。
ここでのポイントは「音が出ない」「軽くてかさばらない」「初見の目新しさ」です。
- シールブック:100円ショップなどで手に入る、何度も貼って剥がせるタイプのものが最強です。これを旅行用に数冊、新しいものを隠しておき、いざという時のために小出しにしていくのがコツです。
- お絵かきボード:磁石で描いて、レバーでサッと消せるタイプのお絵かきボードも重宝しました。これ一つで、かなりの時間、集中して遊んでくれます。
- 最終兵器としての動画タブレット:前述の通り、オフラインでも見られるお気に入りのアニメや映画をダウンロードしておきましょう。ただし、これに頼りすぎると充電が心配になるので、大容量のモバイルバッテリーもセットで持っていくことを忘れないでください。
あると本当に助かる!その他の便利アイテム
上記の基本セットに加えて、これらがあるとさらに快適度がアップします。
- 使い慣れたおむつ・おしりふき:現地でも購入可能ですが、メーカーが限られていたり、肌に合わなかったりする可能性を考えると、日数分+αを持参するのが一番安心できます。かさばりますが、帰りはその分スペースが空く、と考えましょう。
- スティックタイプの粉ミルク・ベビーフード:普段から食べ慣れているものが、子供にとっては一番です。特にアレルギーのあるお子さんの場合は、必ず日本から持参してください。
- 使い捨ての食事用エプロン:ローカルな食堂などでは、子供用の椅子やエプロンがないことも。服を汚さずに済むので、親のストレスが一つ減ります。
- 子供が絶対に食べる「必勝おやつ」:環境が変わると食欲が落ちる子もいます。そんな時でも、これなら絶対に食べる、というラムネやボーロ、小魚スナックなどのおやつがいくつかあると、親の精神安定剤になりますよ。
準備は少し大変かもしれませんが、一つひとつ「これで安心」を積み重ねていくことで、旅への期待はもっと大きくなるはずです。お子さんの笑顔が、最高の思い出になりますからね。
【防衛編】トコジラミ対策とホテルでの確認点

最近、海外旅行の心配事として、多くの方が「トコジラミ」を思い浮かべるかもしれません。まぁ、正直なところ、台湾の衛生レベルは非常に高く、過度に心配する必要はないと私は考えています。しかし、正しい知識と手順を知っておくことが、何よりの安心材料になります。ここでは、万が一に備えるための具体的な行動マニュアルをお伝えします。
対策は、大きく分けて「予防」「発見」「対処」の3ステップです。
まず、日本からできる【予防】について。トコジラミが嫌うとされる「ディート」や「イカリジン」といった成分を含む虫除けスプレーは、有効な予防策の一つです。これを、布製のスーツケースの外側や、パッキング前の衣類にあらかじめ軽く噴霧しておきましょう。さらに、スーツケースはなるべく凹凸の少ないハードケースを選び、中の衣類はビニール袋や密閉できる圧縮袋に小分けにして入れることで、物理的な侵入リスクを減らすことができます。
次に、最も重要なのがホテルに到着してからの【発見】のステップです。部屋に入ったら、すぐに荷物をベッドの上やカーペットに置くのは避けてください。スーツケースはまず、トコジラミが潜みにくいとされるユニットバスの床などに置き、以下の「儀式」を習慣にすることをおすすめします。
ホテル到着後のトコジラミチェックリスト
- ベッドの点検:シーツや枕カバーを少しめくり、マットレスの四隅や縫い目、ヘッドボードとの隙間をスマートフォンのライトで照らします。インクのシミのような黒い点(血糞)や、虫そのものがいないかを確認してください。
- 家具の隙間の確認:ソファや椅子があれば、クッションの間や裏側も同様にチェックします。
- 荷物置き場の選定:チェック後、問題がなければスーツケースは床に直接置かず、備え付けの荷物台(ラゲッジラック)の上に置くようにしましょう。
そして、万が一の【対処】について。もしチェックリストの段階で不審な点を見つけたら、決してためらわず、すぐにフロントに連絡してください。その際、可能であればスマートフォンで証拠写真(虫や糞の跡など)を撮っておくと、後の交渉がスムーズに進みます。
ここからが、ほとんどの人が見落としている最も重要な備えです。それは「海外旅行保険」の確認。もしお手持ちのクレジットカードに付帯している、あるいは別途加入した保険があれば、その規約に今すぐ目を通してください。確認すべきは「携行品損害」や「救援者費用」といった項目です。近年、トコジラミ被害によって衣類やスーツケースの買い替えが余儀なくされた場合の費用や、帰国後の自宅の駆除費用までを補償対象とする保険が増えています。もしリスク管理の専門家であれば、「被害に遭う確率の低さ」よりも「被害に遭った場合の金銭的・精神的損害の大きさ」を重視するはずです。数千円の保険料で、数十万円にもなりかねない損害をカバーできるのであれば、それは極めて合理的な投資だと言えるでしょう。
【機能性重視編】夏の台湾を制する快適ギア

さて、ここからは夏の台湾旅行を「楽しむ」から「攻略する」ステージへと引き上げる、少しマニアックな装備の話です。旅の快適性をとことん追求したい方は、ぜひ参考にしてください。前回、台湾の気候に苦しんだ経験のある方なら、その価値を理解していただけるはずです。
- 衣類:速乾Tシャツの「素材」を語る
「汗をかいても快適な速乾Tシャツ」は、もはや常識です。重要なのは、その「素材」の特性を理解して選ぶこと。選択肢は主に二つ、「ポリエステル系化学繊維」か「メリノウール」か。例えば、Patagoniaの「キャプリーン」に代表されるポリエステル系は速乾性に優れ、手洗いしてもすぐに乾くのが魅力です。一方、個人的に私が夏の台湾で多用するのが、Icebreakerなどのブランドが出している「メリノウール」のTシャツ。天然の調湿機能と防臭効果が驚くほど高く、汗をかいてもベタつかず、汗冷えしにくいのが特徴です。高価なのが玉に瑕ですが、数日着続けても臭いが気にならないため、着替えの枚数を究極まで減らせるという、ミニマリストにはたまらないメリットがあります。 - 冷却ギア:「風」でなく「面」で冷やす
携帯扇風機は有効ですが、猛烈な熱気の夜市では、ただ熱い空気をかき混ぜるだけになることも。そこで私が投入するのが、ペルチェ素子を利用した「ネッククーラー」です。これは、金属プレートで首筋の動脈を直接「面」で冷やすデバイス。体感温度を劇的に下げ、炎天下での思考力低下を防いでくれます。風を送らないので静かなのも利点。まさに「着るエアコン」と呼ぶべき秘密兵器です。 - 防水対策:「いなす」から「無効化する」へ
突然のスコールでカバンの中身が濡れるのは、最悪の経験の一つ。防水カバーやドライバッグで「いなす」のも手ですが、私は「無効化する」という発想で装備を選びます。具体的には、靴とバッグです。靴は「GORE-TEX」素材を採用したスニーカー。これで、水たまりもスコールも全く気になりません。バッグは、ヨットの帆などに使われる「X-Pac」や「セイルクロス」といった素材を使ったもの。軽量かつ極めて高い防水性を誇り、止水ファスナーと組み合わせられたモデルであれば、傘をささずとも中身は安泰です。これらの投資は、天候という不確定要素を旅の計画から排除し、絶対的な安心感をもたらしてくれます。
出発前に確認!台湾の通貨と手続きQ&A

持ち物の準備が整ったら、次はお金や手続きといった、出発前の最終確認です。ここをスマートに済ませておくと、現地での安心感が全く違ってきますよ。
このセクションで解説する内容
台湾の両替、日本と現地どっちがお得?

「台湾ドルへの両替、日本と現地のどちらでするのがお得なんですか?」これは、台湾旅行の準備で間違いなく誰もが一度は抱く疑問です。多くのサイトで「現地の方がレートが良い」と書かれていますが、正直なところ、それだけではどれくらい違うのかピンとこないですよね。
そこで今回は、抽象的な話は一切やめて、具体的な「数字」を使って、どこで両替するのが最も合理的かを徹底的にシミュレーションしてみたいと思います。この差を知れば、あなたの最適な行動が自ずと見えてくるはずです。
【衝撃】5万円を両替すると、これだけ差が出る!
百聞は一見に如かず。仮に、手持ちの日本円5万円を台湾ドルに両替するケースで比較してみましょう。
▼シミュレーションの前提
為替レートは常に変動しますが、ここでは仮に「1台湾ドル = 4.7円」を基準レートとして計算します。
- パターン①:日本の空港の銀行で両替する場合
日本の銀行でマイナー通貨を両替する場合、手数料などが上乗せされ、レートはかなり悪くなる傾向があります。仮にレートが「1台湾ドル = 5.2円」だったとしましょう。
50,000円 ÷ 5.2円/TWD = 9,615 台湾ドル - パターン②:台湾の空港の銀行で両替する場合
台湾の空港にある銀行はレートが良いことで知られています。仮にレートが「1台湾ドル = 4.75円」だったとします。台湾の銀行では両替時に一回あたり30台湾ドルの手数料がかかります。
(50,000円 ÷ 4.75円/TWD) – 手数料30TWD = 10,526 – 30 = 10,496 台湾ドル
いかがでしょうか。このシミュレーションでは、受け取れる金額の差は881台湾ドル。これを日本円に換算すると、約4,140円もの差額になります。5万円の両替で、小籠包が何人前も食べられるくらいの金額が変わってくる。これが、私が「両替は基本的に現地で」とお伝えする、何よりの根拠です。
(※このシミュレーションはあくまで特定の一例です。レートや手数料は日々変動しますので、判断の目安としてお考えください。)
なぜ、これほどの差が生まれるのか?
ここからは私の個人的な見解ですが、このレート差の背景には、銀行側のコストとリスクがあります。言ってしまえば、日本の銀行にとって台湾ドルは「マイナー通貨」。これを在庫として抱え、管理するにはコストがかかります。その分の手数料がレートに上乗せされるため、どうしても割高になってしまうのです。一方で、台湾の銀行にとっては日本円は「メジャー通貨」ですから、比較的有利なレートを提示できる、というわけです。
もし金融の専門家がアドバイスするなら、現金の両替に加えて、第3の選択肢として「クレジットカードによる海外キャッシング」を挙げるでしょう。これは、現地のATMからクレジットカードを使って台湾ドルを直接引き出す方法です。レートは両替よりも有利な場合が多く、必要な分だけ引き出せるメリットがあります。ただし、利息(繰り上げ返済で最小化可能)やATM手数料がかかるため、計画的な利用が求められます。万が一、現金が足りなくなった時のための「保険」として、この方法を知っておくと非常に心強いですよ。
結論:私の実践する「安心と実利の良いとこ取り」戦略
これらの事実を踏まえた上で、私が最終的におすすめする方法は、やはり「両方の良いとこ取り」です。
- 【安心の確保】日本にいる間に、台湾到着後の交通費や軽食代として、1万円分だけを日本の空港で両替しておく。
- 【実利の最大化】まとまった金額(残り4万円)は、台湾の空港に到着後、レートの良い銀行で両替する。
- 【リスク管理】万が一に備え、海外キャッシングが可能なクレジットカードを必ず一枚は持っていく。
こうすれば、現地到着直後に現金がないという不安を解消しつつ、全体としては金銭的なメリットを最大限に享受できます。これが、私が数々の渡航経験からたどり着いた、最も合理的で失敗のない両替スタイルです。
クレカ付帯で十分?台湾旅行保険の比較と選び方

海外旅行保険、これもまた頭を悩ませる問題ですよね。「クレジットカードに付帯している保険で十分じゃないか?」と考える方は、おそらく少なくないでしょう。しかし、結論から言えば、その答えは「あなたの旅のスタイルと、あなたがどこまでの『安心』を求めるか」によって全く異なります。
判断を誤らないために、まずは海外での医療費の「現実」を、具体的なデータで見ていきましょう。台湾は治安が良く医療レベルも高い国ですが、「万が一」のコストは日本と同じ感覚ではいけません。例えば、海外旅行保険会社の報告によると、台湾でバイクとの接触事故で骨折し、入院・手術、そして家族が駆けつけるための費用などを含め、総額で500万円以上の請求となった事例があります。また、急性虫垂炎(盲腸)で手術・入院しただけで、200万円を超えるケースも珍しくないのです。
この現実を知ると、「治療・救援費用1,000万円」といった補償額が、決して大げさな数字ではないことがお分かりいただけるかと思います。その上で、お手元のクレジットカード付帯保険が、本当にあなたの旅を守ってくれるのかを冷静に判断する必要があります。
「自動付帯」か「利用付帯」か、それが問題だ
まず、確認すべき最低限のポイントは、保険の適用条件です。クレジットカードの付帯保険には、カードを持っているだけで適用される「自動付帯」と、航空券やツアー代金などをそのカードで支払うことで初めて適用される「利用付帯」の二種類があります。この違いを知らないまま、「保険があるから大丈夫」と思い込んでいると、いざという時に全く使えないという最悪の事態になりかねません。カード会社のウェブサイトや保険規約で、ご自身のカードがどちらのタイプか、今すぐに確認することをおすすめします。
【重要】保険でチェックすべき、たった3つの最重要項目
補償内容は多岐にわたりますが、私がチェックするのは、突き詰めれば以下の3つです。
- 治療・救援費用:前述の通り、最も重要な項目です。ケガや病気の治療費だけでなく、万が一の際の日本への医療搬送費もカバーされるかを確認しましょう。個人的には、最低でも1,000万円、心配な方は2,000万円以上の補償があると心の底から安心できます。
- 携行品損害:カメラやスマートフォンの盗難・破損に備える補償です。ここには、前述したトコジラミ被害によって、やむを得ず衣類やスーツケースを現地で処分した場合の購入費用が含まれる場合があります。補償対象となるかどうか、事前に保険会社に確認しておくと、大きな安心材料になります。
- キャッシュレス診療:これが有るのと無いのとでは、現地での安心感が天と地ほど違います。提携病院において、自己負担なく(つまり、その場で現金を支払うことなく)治療が受けられるサービスです。もし、医療の専門家が助言するなら、間違いなくこのサービスの有無を最優先で確認するよう言うでしょう。慣れない海外で、体調が悪い中、高額な現金を立て替える精神的・物理的負担は計り知れませんからね。
結論:あなたに最適な保険の選び方
これらの事実を踏まえると、あなたに必要な保険の形が見えてきます。
- クレジットカード付帯保険で十分かもしれない人:高価な手荷物がなく、持病の心配もない、身軽な一人旅の方。ただし、この場合でも「治療・救援費用の補償額」と「キャッシュレス診療の可否」だけは、必ず確認してください。
- 有料保険への加入を強く推奨する人:小さなお子様連れのご家族や、私のように石橋を叩いて渡りたい慎重派の方です。クレジットカードの補償額では心もとない治療費用を上乗せしたり、「航空機遅延費用」など付帯保険ではカバーされにくい補償を追加したりすることで、あらゆる不測の事態に備えることができます。
保険は、旅の後悔をなくすための、最も合理的で効果的な投資の一つです。出発前に数千円をかけることで、数百万円のリスクから自分と家族を守れる。そう考えれば、この選択に迷う理由はないのではないでしょうか。
台湾入国カードのオンライン申請方法とアライバルカード

台湾に入国する際には、全ての外国人に「入国カード」の提出が義務付けられています。以前は、機内で客室乗務員から配られる紙のカードに、揺れる機内でパスポートやホテルの情報を書き込むのが一般的でした。あの、ボールペンを探したり、細かい字を書いたりする地味なストレス、経験のある方も多いのではないでしょうか。
しかし、今はもっとスマートで便利な方法があります。それが、出発前にインターネットで申請を済ませておける「オンライン入国カード(Arrival Card)」です。これを済ませておくだけで、機内での時間をリラックスして過ごせ、入国審査も心なしかスムーズに進む感じがします。今回は、このオンライン申請の方法を、誰でも迷わず完了できるよう、ステップ・バイ・ステップで徹底的に解説します。英語のサイトですが、大丈夫。このページを横に開いて、一緒に進めていきましょう。
【5分で完了】オンライン入国カード申請 完全ガイド
まず、申請を始める前に、手元に以下の3つをご用意ください。これがあれば、作業はすぐに終わります。
- パスポート
- 往復の航空券情報(特に、台湾に到着する便名)
- 台湾での滞在先の情報(ホテル名や住所)
準備ができたら、以下の公式サイトにアクセスしてください。
サイトが開いたら、あとは順番に入力していくだけです。項目ごとに日本語訳と記入例を記載したので、参考にしてください。
項目名(英語) | 日本語訳 | 記入例・解説 |
---|---|---|
Step 1: 個人情報 | ||
Family Name | 姓 | パスポートと同じ表記で入力します。(例:YAMADA) |
Given Name | 名 | パスポートと同じ表記で入力します。(例:TARO) |
Chinese Name | 漢字氏名 | 空欄で問題ありません。 |
Date of Birth | 生年月日 | YYYY/MM/DDの形式で、西暦で入力します。(例:1998/01/15) |
Sex | 性別 | Male(男性)または Female(女性)を選択します。 |
Place of Birth | 出生地 | JAPAN を選択します。 |
Step 2: 国籍・パスポート情報 | ||
Nationality | 国籍 | JAPAN を選択します。 |
Passport No. | パスポート番号 | お持ちのパスポート番号を正確に入力します。 |
Step 3: フライト・滞在情報 | ||
Expect Arrival Date | 台湾への到着予定日 | YYYY/MM/DDの形式で入力します。 |
Flight/Vessel No. of Arrival | 台湾への到着便名 | 航空券(eチケット)に記載の便名です。(例:JL805, BR191) |
Expect Departure Date | 台湾からの出発予定日 | YYYY/MM/DDの形式で入力します。 |
Flight/Vessel No. of Departure | 台湾からの出発便名 | 航空券(eチケット)に記載の便名です。(例:JL802, BR192) |
Purpose of Visit | 渡航目的 | プルダウンから選択します。観光の場合は「Sightseeing」です。 |
Occupation | 職業 | プルダウンから最も近いものを選択。会社員なら`Business/Commercial`、主婦なら`Housekeeper`、学生なら`Student`で大丈夫です。 |
Home Address | 日本の住所 | プルダウンから JAPAN を選択すれば、詳細な住所の入力は不要です。 |
Address in Taiwan | 台湾での滞在先 | City/County(市/県)を選択し、Hotel Name にホテル名を入力すればOKです。 |
Verification Code | 認証コード | 右側に表示されている数字を入力します。 |
全ての入力が終わったら、「Confirm」ボタンを押してください。「Successful」という表示が出れば申請は完了です。特に申請完了のメールなどは届きませんので、心配な方はこの完了画面をスクリーンショットで保存しておくと良いでしょう。
もし、このオンライン申請を忘れてしまったり、入力内容を間違えてしまったりしても、全く心配はいりません。間違えた場合は、もう一度最初から正しい内容で申請すれば、新しい情報で上書きされます。忘れてしまった場合は、従来通り、機内で配布される紙の入国カードに記入すれば大丈夫です。その時のために、滞在先のホテル名と住所、電話番号はすぐに分かるようにスマホのメモなどに控えておきましょう。
ちなみに、なぜオンライン申請だとスムーズなのか。もし入国管理の専門家が解説するなら、こう言うでしょう。「あなたの情報が事前に入国管理システムに登録されるため、審査官はパスポートのスキャンだけで情報を呼び出せます。紙のカードを読み取り、手入力する手間が省ける分、審査が迅速になるのです」と。これも、旅の時間を有効に使うための、ささやかですが重要なテクニックの一つです。
空港で慌てない!台湾の入国審査と保安検査場のコツ

いよいよ台湾の空港に到着。旅の最後の関門であり、始まりでもある入国審査です。ここで慌てないための、ちょっとしたコツと最新の情報をお伝えします。
まず、入国審査カウンターでは、審査官からいくつか質問されることがあります。多くは「How long will you stay?(何日間滞在しますか?)」「What is the purpose of your visit?(訪問の目的は何ですか?)」といった、ごく簡単なものです。これには、自信を持って「Five days.(5日間です)」「Sightseeing.(観光です)」と単語で答えれば十分。審査官は毎日何百人もの旅行者を見ていますから、片言でも堂々としていることが大切です。彼らは敵ではなく、単に手続き上の確認をしているだけ。そう考えれば、少しリラックスできるのではないでしょうか。
審査の際には、パスポートと、オンライン申請していない場合は記入済みの入国カードを提示します。その後、顔写真の撮影と両手人差し指の指紋登録が機械の指示に従って行われます。これは特に難しいことはありません。
【2025年7月30日時点の重要なお知らせ】お得なキャンペーンについて
ここで、台湾旅行を計画されている多くの方が気にされているであろう、お得なキャンペーンについて、正確な情報をお伝えする必要があります。インターネット上には古い情報が残っている場合があるため、どうかご注意ください。
多くの方が期待されていた、個人旅行者向けの5,000NT$(約25,000円)が当たる抽選キャンペーン(Taiwan the Lucky Land)は、予定通り2025年6月30日をもって終了しました。当サイトでは、読者の皆様に誤った期待をさせないよう、常に最新かつ正確な情報をお届けすることを最優先に考えています。
「では、もうお得なことは何もないのか?」というと、そんなことはありません。大規模なキャンペーンは終了しましたが、旅行者が利用できる細やかな特典や節約術は、まだまだ存在します。
- 空港MRTの割引切符:桃園空港と台北市内を結ぶMRTでは、往復割引切符や、滞在日数に合わせた乗り放題パスが販売されています。ご自身の旅行プランに合わせてこれらを利用するだけで、交通費を確実に節約できます。
- 交通系ICカードの特典:空港のMRTサービスカウンターや通信会社のカウンターで、旅行者向けの交通系ICカード(悠遊カードやiPASS)を購入する際、小規模なチャージボーナスや提携店での割引クーポンが付いてくることがあります。到着したら、まずこれらのカウンターを覗いてみることをお勧めします。
もし観光政策の専門家が今の状況を分析するなら、こう言うでしょう。「これだけ成功した大規模キャンペーンが、一度きりで終わることは考えにくい。形を変えた第二弾、第三弾が企画される可能性は十分にあります」と。次のチャンスを逃さないためにも、台湾観光局の公式サイトなどを定期的にチェックする習慣をつけておくと良いかもしれません。
ちなみに、もしあなたが台湾に魅了され、年に何度も訪れるようなリピーターになったなら、「常客証(e-Gate)」という自動化ゲートを利用できる制度をぜひ調べてみてください。「過去1年間に3回以上台湾を訪問した」などの条件を満たせば申請でき、これがあれば入国審査の長蛇の列を横目に、専用ゲートを数秒で通過できます。時間という、お金では買えない価値を手に入れられる、まさに台湾好きのための究極の裏技ですよ。
一方、日本を出国する際の保安検査場では、PCやタブレット、モバイルバッテリーはカバンから出してトレイに乗せる必要があります。また、前述の通り、液体物のルールはしっかり守りましょう。ポケットの中の小銭や鍵なども忘れずに出しておくこと。こういった基本的なことを守るだけで、検査はスムーズに終わります。旅の始まりと終わりを、スマートにこなしたいものですね。
総まとめ!あなたの台湾旅行持ち物リスト完璧版が完成

ここまで、台湾旅行の持ち物について、私の経験を交えながら詳しく解説してきました。基本的な準備から、旅をより深く楽しむための裏技まで、かなりの情報量になったかと思います。最後に、この記事の要点をリスト形式でまとめておきます。このリストを見れば、あなたの台湾旅行の準備は完璧です。
- あなたの台湾旅行が最高の思い出になることを願っています
- パスポートの残存有効期間は「滞在予定日数以上」を必ず確認する
- 必須持ち物は印刷できるチェックリストで漏れなく準備する
- 衣類は丸めて、液体は小分け袋に入れるのがパッキングの基本
- 2泊3日なら機内持ち込みバッグが身軽で便利、LCCなら節約にも
- 機内持ち込みの液体は100ml以下の容器に入れ、透明な袋にまとめる
- 台湾のコンセントは変換プラグ不要、電圧もほぼ問題なし
- 子連れ旅行では日本の常備薬とぐずり対策グッズが心のお守りになる
- トコジラミ対策として忌避剤とホテル到着後のチェックを習慣に
- 夏の台湾旅行なら速乾Tシャツや防水グッズなどの機能性ギアが役立つ
- 両替は日本で少額、台湾の空港で残りを両替するのがお得で安心
- クレジットカード付帯保険は補償内容、特に「利用付帯」の条件と治療費の補償額を確認する
- 保険に不安があれば有料保険で必要な補償を上乗せする
- 入国カードはオンライン申請しておくと時間短縮になり非常にスムーズ
- 5000元が当たるキャンペーンは出発前のオンライン登録が必須