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台湾旅行の治安は大丈夫?安全対策の全て

これから台湾旅行を計画しているけれど、「実際のところ台湾の治安ってどうなんだろう?」と、少し不安に感じていませんか。特に、もしこれが初めての海外旅行だったり、大切なご家族と一緒だったりすると、その心配は尽きないものですよね。
インターネットで検索すると、台北の治安が悪いエリアの情報が出てきたり、台湾旅行で気を付けることは何かと調べたり…。外務省の海外安全情報をチェックしてみても、いまいち具体的なイメージが湧きにくいかもしれません。そのお気持ち、私も痛いほど分かります。
私自身、以前仕事の関係で台湾に住んでいた経験がありますが、まず結論からお伝えすると、台湾の治安は世界的に見てもかなり良いレベルにあると感じています。ただし、それは「日本の常識が全て通用する」とか「何も対策しなくても絶対に大丈夫」という意味では決してありません。残念ながら、そうではない部分も存在するんです。
この記事では、なぜ私が台湾を安全だと感じているのかという理由から、実際に観光客が遭遇しがちなトラブル、そしてそうした問題を未然に防ぐための具体的な対策まで、私の経験を交えながら、あなたの不安が「旅の自信」に変わる情報をお届けします。ぜひ、最後までお付き合いください。
記事のポイント
- 台湾が「安全」と言われる具体的な理由
- 観光客が実際に遭うトラブルと鉄壁の回避策
- 台北の具体的な要注意エリアと安全なエリア
- 旅行がもっと快適で安全になる準備リストと心構え
台湾旅行の治安は本当に大丈夫?プロが教える安全対策の全て

「台湾って、本当に安全なの?」これは、私が友人や知人から本当によく聞かれる質問です。多くの人が漠然としたイメージは持っていても、その根拠までは知らないことが多いんですよね。ここでは、私が台湾で暮らして肌で感じた「安全の理由」から、具体的なトラブル事例、そして万全の対策までを、順を追って詳しく解説していきます。
- なぜ台湾は安全?在住者が語る3つの深い理由
- 【実例】観光客が狙われるトラブルと鉄壁の回避策
- ここは注意!台北の治安要注意エリアと安全エリア
- 子連れ旅行のパパママ必見!家族を守る安全ルール
- 知らないと損!台湾の意外な文化ルールとマナー
なぜ台湾は安全?在住者が語る3つの深い理由

まず大前提として、台湾の治安は国際的に見てもトップクラスに良好です。ただ、その理由を深く知ることで、あなたが抱える漠然とした不安が「なるほど、だから安心なんだ」という納得に変わり、より自信を持って街を歩けるようになるはずです。私が特に大きな理由だと感じているのは、以下の3つの要素が複合的に機能しているからですね。
理由①:街の隅々まで行き届いた「機械の目」
台湾の街、特に台北のような都市部を歩いていると、少し驚くほど多くの監視カメラが設置されていることに気づくでしょう。私自身、住み始めた当初は主要な交差点や駅、店舗の軒先はもちろん、少し細い路地裏にまでカメラがあって、「ちょっと見張られているようで落ち着かないな」と感じたことを正直に告白します。
しかし、この徹底したカメラ網こそが、犯罪の抑止に絶大な効果を発揮しているのです。防犯の専門家は「犯罪が起きる機会を物理的に減らす」ことの重要性を説きますが、台湾はまさにそれを実践している社会と言えます。実際、何か事件が起きた際には、この監視カメラの映像が犯人逮捕の決定的な証拠となるケースが非常に多いと聞きます。言ってしまえば、「悪いことをしても、ほぼ確実に見られていて、すぐに特定されてしまう社会」が物理的に構築されているわけですね。このおかげで路上での犯罪が起きにくくなっており、私たち旅行者もその恩恵を大いに受けていると感じます。
まぁ、正直なところ、今でもカメラの多さには少し気圧されることがありますが、それ以上に「守られている」という安心感の方が圧倒的に大きいですね。これが、夜でも女性が一人で道を歩けるような、安全な環境の土台になっているのだと私は思います。
理由②:「おせっかい」なほど温かい「人の目」
台湾を旅した多くの人が口を揃えて言うのが、「台湾の人々は本当に親切だ」ということです。これは私も心の底から同感するところで、道に迷って地図を広げていると、頼んでもいないのに向こうから「どうしたの?」「どこに行きたいの?」と声をかけてくれることが一度や二度ではありませんでした。
この親切さは、単なる優しさというよりも、地域社会の結びつきの強さから来ているように感じます。多くの人は、自分の周りで困っている人を見過ごせない、ちょっと「おせっかい」なくらいの温かさを持っているんですね。特に、初めての一人旅で少し心細そうにしていると、年配の方などが気にかけてくれることも多いかもしれません。このような国民性が、旅行者がトラブルに巻き込まれそうになった時に、自然な形で助け舟を出してくれるような、社会全体のセーフティーネットとして機能していると感じています。
もちろん、後ほど詳しくお話しするように、この人の好さにつけ込もうとする残念な人もゼロではありません。しかし、大多数の台湾の人々が旅行者に対して非常に友好的であることは、疑いようのない事実であり、数値では測れない大きな安心材料の一つです。
理由③:客観的データと制度が示す「信頼の目」
体験談だけでなく、客観的なデータや制度も台湾の安全性を裏付けています。まず、心配性のあなたに最もお伝えしたいのは、日本の外務省が出す海外安全情報において、台湾全土には一切の危険情報が出されていない(2025年7月現在)という事実です。これは、滞在にあたって特別な注意を必要としない、最も安全なレベルであることを公的に示しています。
さらに、国際的な評価も極めて高いものがあります。例えば、世界各国の生活情報を集めたデータベースサイト「NUMBEO」の2024年の調査によると、台湾は「治安の良い国ランキング」で、調査対象となった146カ国中、なんと第4位にランクインしました。ちなみに同年の日本の順位は9位ですから、統計上は日本よりもさらに安全な国だと評価されているわけです。都市別で見ても、台北は世界4位と、東京の24位を大きく上回っています。
このような治安の良さは、麻薬関連の犯罪に極めて重い刑罰を科すなど、特定の犯罪に対する厳しい法律と、市民の警察に対する信頼感によって支えられています。私自身、落とし物をした際に交番(台湾では「派出所」と言います)で非常に丁寧に対応してもらった経験があり、公権力がしっかりと機能していることを肌で感じました。このように「機械の目」「人の目」「制度の目」という三重のセーフティネットががっちりと組み合わさることで、台湾の卓越した治安が維持されている、というのが私の見解です。
【実例】観光客が狙われるトラブルと鉄壁の回避策

台湾は極めて安全な場所ですが、それでも旅行者を狙った軽犯罪やトラブルが全くないわけではありません。これは決して皆さんを脅かすためではなく、本当に嫌な思いをしてほしくないからこそ、あえて正直にお話しする部分です。ここで紹介する具体的な手口と、それに対するシンプルな回避策さえ知っておけば、過度に心配する必要はなくなりますよ。
事例①:夜市や人混みでのスリ・置き引き
台湾旅行のハイライトの一つである夜市や、多くの観光客で賑わう九份(きゅうふん)のような場所は、美味しいグルメや美しい景色に夢中になって、どうしても注意が散漫になりがちです。残念ながら、そうした気の緩みは、スリにとっては格好の仕事場とも言える環境を生み出してしまいます。
主な手口は、後ろに背負ったリュックサックや、口が開いたままのトートバッグから、気づかれないように財布やスマートフォンを抜き取るという古典的なもの。私であれば、人混みに入ると決めた瞬間から、リュックを前に抱えるか、ショルダーバッグを体の正面でしっかりと手で押さえるようにしています。特に、お子さんと手をつないで歩くご家族は、どうしても手荷物への意識が薄れがちになるので、より一層の注意が必要かもしれません。ズボンの後ろポケットに貴重品を入れるのは、もう「どうぞ持っていってください」と言っているようなものなので、絶対にやめましょう。
≪置き引きにも要注意!≫
フードコートなどで席を確保するために、スマートフォンやバッグを置いたままその場を離れるのは非常に危険です。たとえほんの一瞬であっても、貴重品は必ず身につけるか、同行者にしっかり見ていてもらうようにしてください。日本と同じ感覚でいると、本当に痛い目にあう可能性があります。
事例②:相場より高額請求するタクシートラブル
まず強調しておきたいのは、台湾のタクシードライバーのほとんどは、メーターをきちんと使ってくれる真面目で誠実な方々だということです。ただ、友人同士のグループ旅行などで深夜に利用する際など、ごく一部ではありますが、観光客と見るやメーターを使わずに法外な料金を交渉してきたり、わざと遠回りしたりする悪質なドライバーも残念ながら存在します。
このため、タクシーに乗る際は、まずドアを開けて乗り込む前に「by meter?(メーターでお願いします)」と確認する癖をつけることを強くお勧めします。もしドライバーが首を横に振ったり、何か言い訳をしてメーターを使いたがらなかったりした場合は、何も言わずにそのタクシーは見送り、次の車を探すのが賢明です。私としては、Uberや台湾大車隊(55688)といった配車アプリを利用するのが最も確実だと感じています。事前に行き先と料金が確定するので、言葉の壁や料金トラブルの心配が一切なく、本当に快適ですよ。
≪タクシー乗車時のチェックリスト≫
- 車体が黄色で、屋根に「TAXI」の表示がある正規のタクシーを選ぶ
- 乗車前に「by meter?」と確認する
- メーターを使わない場合は丁寧にお断りして乗らない
- ホテルの名前と住所を漢字で書いたメモを見せるのが確実
- 配車アプリ(Uber、台湾大車隊など)を積極的に活用する
事例③:親しげに話しかけてくる詐欺・ぼったくり
これは、特に初めての一人旅で少し心細さを感じている時や、人の良さそうな少人数のグループが注意したい事例です。例えば、龍山寺の周辺などで流暢な日本語で親しげに話しかけてきて、「運勢を見てあげますよ」とか「良いお茶屋さんを知っている」などと誘い、最終的に高価な開運グッズや茶葉を買わされたり、法外な料金を請求されたりするケースが報告されています。
前述の通り、台湾の人々は基本的に親切ですが、初対面なのに過度に馴れ馴れしい誘いや、うますぎる話には、少しだけ警戒心を持つことが大切です。私の場合、知らない人からそうした誘いを受けた際は、「すみません、これから友人と会う約束があるので失礼します」といった形で、丁寧にはっきりと断るようにしています。相手のペースに乗らないことが何より重要ですね。
事例④:「日本語アンケート」を装う勧誘トラブル
友人から「悪い噂」を聞いて不安になっているあなたが、まさに知っておくべきなのがこの手口です。西門町(Ximending)のような若者が集まる繁華街で、「すみません、日本の学生さんですか?少しアンケートに協力してもらえませんか?」と、非常に流暢な日本語で話しかけられることがあります。
一見すると国際交流やマーケティング調査のようですが、安易についていくと近くの雑居ビルの一室に案内され、最終的には高価な化粧品や印鑑などを契約するまで帰してもらえない、といった悪質なケースがあるんです。他にも、土産物店で日本人とわかると店員がつきっきりになり、高価な翡翠や漢方薬をしつこく勧められることもあります。断りづらい雰囲気を作るのが彼らの常套手段だと言えるでしょう。
対策はシンプルです。路上でのアンケートや勧誘には、立ち止まらずに「急いでいるので」と笑顔で断ること。そして、万が一しつこくされても、絶対に建物の中には入らない。友人同士であれば、「怪しい声かけには絶対ついていかない」というルールを事前に共有しておくだけで、お互いを守るための強力な抑止力になりますよ。
これらの事例を知って、少し怖くなってしまったかもしれません。でも、大切なのは「こういう手口がある」という事実を知っておくことです。知識は、あなたを不要なトラブルから守る最強の武器になります。少しでも「あれ?」と違和感を覚えたら、勇気を持って距離を置く。それが、最終的に自分自身を守ることに繋がりますからね。
ここは注意!台北の治安要注意エリアと安全エリア

台北は全体的に安全な都市ですが、それでもエリアによって少し雰囲気が異なる場所は存在します。ホテル選びは、旅の快適さや満足度を大きく左右する重要なポイントですからね。「要注意」というと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、あくまで「他のエリアに比べると、少しだけ気を引き締めた方がいい」というレベル感で、あなたの旅のスタイルに合った拠点選びの参考にしてみてください。
要注意エリア:台北駅周辺・萬華区(龍山寺)
もし私が、夜間に一人で歩く際に少しだけ意識のアンテナを高くする場所を挙げるとすれば、この2つのエリアになります。
台北駅周辺は、新幹線や在来線、MRT(地下鉄)が集中する、まさに台湾全土からの人々が集まる交通の要衝です。人の流れが絶えない分、匿名性が高まり、スリや置き引きのリスクが他の場所よりは高まると考えた方が自然でしょう。また、夜になると駅の周辺に、事情を抱えた方の姿が見られることもあります。直接的な危険はまずありませんが、海外旅行に慣れていないと、少し不安に感じるかもしれません。
萬華区(龍山寺周辺)は、台北で最も歴史のある古い街で、有名なパワースポット「龍山寺」やローカルな雰囲気が魅力の華西街観光夜市があり、日中は非常に活気があります。しかし、その歴史的背景から古くからの歓楽街が隣接しており、一本路地裏に入ると雰囲気ががらりと変わることがあります。日中に観光する分には全く問題ありませんが、特に女性が一人で、夜間に目的もなく路地裏を散策するのは避けた方が無難だと私は思います。
≪危険地帯というわけではない≫
繰り返しますが、これらのエリアが「危険地帯」というわけでは決してありません。日中の観光であれば、むしろ台北の多様な顔に触れられる魅力的な場所です。あくまで「他の洗練されたエリアに比べて、より海外旅行の基本的な注意を払った方が良い」という程度の認識でいてくださいね。
安全エリア:中山・大安・信義区
もしあなたが、特に治安の良さや滞在中の快適さを最優先してホテルを選びたいのであれば、この3つのエリアが断然おすすめです。どこも甲乙つけがたいですが、あなたの旅のスタイルによって最適な場所は変わってきます。
中山区:初めての一人旅に、最高の安心感を。
日系のデパートやホテル、レストランが多く集まるエリア。街並みもきれいで落ち着いており、日本人観光客にとっては非常に過ごしやすい環境が整っています。お洒落なカフェやセンスの良い雑貨店を巡るのも楽しいですよ。特に、初めての一人旅で少し不安を感じているあなた(美緒さんのような方)には、ここが一番のおすすめです。日本語が通じやすい場所も多く、いざという時の安心感が違います。
大安区:家族と、落ち着いた上質な時間を。
高級住宅街やおしゃれなカフェ、緑豊かな公園が点在する洗練されたエリアです。東京で言えば代官山や青山のような雰囲気で、落ち着いた滞在を求める方にはぴったりでしょう。治安も極めて安定しています。ご家族との時間を大切に、安全で落ち着いた環境を求めるあなた(健太郎さんのような方)には、大安区が最適です。大きな「大安森林公園」もあり、お子様連れでものびのびと過ごせます。
信義区:最先端の台北を、アクティブに満喫。
台北101をはじめとする近代的な高層ビルが立ち並ぶ、台北のビジネスと商業の中心地。有名デパートや高級ブランド店が集中しており、道路も広くきれいに整備されています。夜景も美しく、夜遅くまで多くの人で賑わっているので、安心して過ごせるエリアの一つです。最新の台北を感じたい、友人同士でアクティブに楽しみたいあなた(拓也さんのような方)には、この信義区が刺激的かもしれません。
どのエリアを選ぶかで、見える台北の景色も少し変わってきます。ぜひ、あなたの旅の目的やメンバーに合わせて、最高の拠点を見つけてください。快適なホテルが決まれば、旅の期待感は一気に高まりますからね。
子連れ旅行のパパママ必見!家族を守る安全ルール

小さなお子様を連れての海外旅行は、大人だけの時とはまた違った種類の神経を使いますよね。私も人の親なので、ご家族の安全を第一に考えるお父さん、お母さんのお気持ちは痛いほどよく分かります。ここでは特に、心配性のあなたにこそ知っておいてほしい、台湾で家族の安全を守るための大切なルールを3つに絞ってお伝えします。
ルール①:交通ルールは日本と別物。「止まってくれるはず」は禁物
これはもう、台湾旅行で最も注意すべきことかもしれません。日本では「歩行者優先」の意識が社会に根付いていますが、台湾では残念ながら車や、特に無数に走っているバイクが優先される傾向が非常に強いのが現実です。青信号の横断歩道を渡っていても、右左折してくる車やバイクが平気で目の前を横切っていくことが日常茶飯事です。
お子様と道を渡る際は、必ず大人が車道側を歩き、しっかりと手を繋いでください。そして、親子で「右、左、もう一回右!」と声を出しながら一緒に安全確認をするくらいが丁度いいかもしれません。また、歩道を歩いている時でさえ、お店の軒先からバイクが急に出てきたり、歩道自体をバイクが走行していたりすることも珍しくありません。お子様が予期せぬ動きで車道に飛び出さないよう、常に気を配ることが本当に重要です。
こればっかりは、本当に日本の感覚でいるとヒヤッとする場面に遭遇します。最近は取り締まりが強化されるなど、状況は少しずつ改善してきてはいますが、それでも「車やバイクは、自分のために止まってはくれないかもしれない」という前提で行動することが、ご家族の安全を守る一番の秘訣ですね。
ルール②:人混みではぐれないための事前準備
夜市やデパートのフードコートなど、人でごった返す場所では、本当に一瞬目を離した隙にお子様とはぐれてしまう可能性があります。言葉も通じない海外で迷子になるのは、親子ともに想像を絶する不安に襲われるものです。
これを防ぐためには、まず人混みでは必ず手を繋ぐ、もしくは小さなお子様なら抱っこすることを徹底しましょう。それに加えて、万が一の対策をいくつか用意しておくと、心の余裕が全く違ってきます。例えば、旅行中は少し派手なくらいの目立つ色の服を着せておくと、遠くからでも見つけやすくなります。そして何より大切なのが、事前にお子様と「もし迷子になったら、絶対にその場から動かずに、お父さんかお母さんが探しに来るのを待っているんだよ」と約束しておくことです。探し回る親と、親を探して動き回る子供がすれ違ってしまう悲劇を防げます。ホテルの名前や連絡先を書いたカードを持たせておくのも、もちろん有効です。
ルール③:夜市や屋台の「食の安全」を見極める
せっかくの台湾旅行、美味しいローカルフードを家族みんなで楽しみたいですよね。しかし、小さなお子様に屋台のものを食べさせるのは、衛生面で少し心配になるのが親心だと思います。結論から言うと、いくつかのポイントを押さえれば、夜市のグルメも安全に楽しむことが可能です。
大切なのは、お店を「観察する」という一手間。私であれば、まず地元の人たちで常に行列ができているお店を探します。人気店は食材の回転が速く、新鮮である可能性が高いからです。次に、調理場が清潔に保たれているか、店員さんの手際が良いかをチェックします。お子様には、注文してから目の前で調理してくれる、完全に火が通った加熱調理品(スープや麺類、焼き物、蒸し物など)を選ぶのが最も安心でしょう。カット済みのフルーツや、作り置きされているように見えるものは、少し慎重に判断した方が良いかもしれません。
≪子連れ屋台のチェックリスト≫
- 地元の人で賑わい、行列ができているか?
- 調理場は清潔で、食材の管理はしっかりしていそうか?
- メニューは、完全に火が通っているものを選ぶ(焼き物、蒸し物、スープなど)
- 飲み水は、必ずペットボトルのミネラルウォーターにする
過度に怖がる必要は全くありませんが、この「親の目でしっかり観察する」という一手間が、家族旅行を最後まで笑顔で終えるための、何よりものお守りになりますよ。
知らないと損!台湾の意外な文化ルールとマナー

安全に旅をする上では、その国の文化やルールを知り、敬意を払うことも実はとても大切です。「郷に入っては郷に従え」とよく言いますが、これを怠ると高額な罰金の対象になったり、知らず知らずのうちに周囲に不快な思いをさせてしまったりすることも…。せっかくの楽しい旅行が台無しにならないよう、ここでは特に重要な現地の決まり事を2つ、その背景とともにお話しします。
ルール①:MRTやバス車内での飲食は厳禁
台北の便利な足であるMRT(地下鉄)では、改札を入ってから黄色い線の内側、つまり電車内はもちろん、ホームや通路での飲食が一切禁止されています。これは単なるルールというよりも、「公共の空間はみんなで綺麗に使う」という、台湾の人々が共有する美意識の表れなんです。そのため、飲み物(水を含む)やガム、アメを口にすることも厳しく制限されています。
バスの車内も同様に飲食は原則禁止です。暑い日に喉が渇いて、うっかりペットボトルの水を飲みたくなる気持ちはよく分かりますが、そこはぐっとこらえましょう。このルールが社会全体で徹底されているからこそ、台湾の公共交通機関はいつも清潔で快適なのだと考えると、納得できるのではないでしょうか。
≪罰金の金額は?≫
台北MRTの公式サイトによると、改札内の飲食に対する罰金は、1,500台湾ドル以上7,500台湾ドル以下と定められています。2025年7月現在のレートで日本円に換算すると、約7,500円から37,500円にもなります。かなり高額なので、十分に注意してください。
ルール②:日本より厳しい喫煙ルール
台湾は、喫煙に関するルールが日本よりもかなり厳しい国の一つです。これは「菸害防制法(タバコ被害防止法)」という法律で厳しく定められており、愛煙家の方は、少し肩身が狭い思いをするかもしれませんが、ルールとしてしっかり守る必要があります。
基本的に、レストラン、デパート、ホテルロビー、駅など、屋根のある公共の場所はほぼ全てが全面禁煙です。違反した場合、こちらも高額な罰金の対象となります。喫煙は、屋外に設置されている指定の喫煙所や灰皿のある場所でのみ可能です。もちろん、歩きタバコやポイ捨ては論外です。タバコを吸う前に、そこが喫煙可能な場所かどうかを必ず確認する習慣をつけてください。裏を返せば、非喫煙者や子供たちが安心して過ごせる環境が整っているということでもありますね。
≪電子タバコ・加熱式タバコは持ち込みすらNG≫
これは「知らなかった」では絶対に済まされない、最も注意すべきルールです。2023年に改正された法律により、台湾では、電子タバコや加熱式タバコの製造、輸入、販売、そして使用も全面的に禁止されました。アイコス(IQOS)やグロー(glo)といった加熱式タバコも、VAPEのようなリキッド式の電子タバコも、すべてが対象です。日本から台湾へ持ち込むこと自体が違法行為となり、空港の税関で没収されるだけでなく、高額な罰金が科される可能性があります。愛用者の方は、旅行期間中だけはきっぱりと諦めるようにしてください。
これで万全!台湾旅行がもっと大丈夫になる準備リスト

さて、ここまで台湾の治安に関する様々な情報をお伝えしてきましたが、最後に、あなたの旅行をさらに安全で快適なものにするための、いわば「お守り」のような準備について解説します。備えあれば憂いなし。これらの準備をしておけば、自信を持って台湾の旅を楽しめるはずですよ。
出発前に確認!外務省の最新海外安全情報(台湾)

さて、ここからは準備の最終段階です。海外旅行の基本中の基本ですが、出発前には必ず外務省の海外安全ホームページで、台湾の最新情報を確認しておきましょう。これはもう、旅慣れた私でも渡航の度に必ず行う、欠かせない儀式のようなものです。では、具体的にあの膨大な情報の中から、どこをどう見ればいいのか、ポイントをお伝えしますね。
外務省サイトで見るべき3つのポイント
- ① 危険情報レベルの確認:
まずサイトを開いたら、トップに表示される「危険情報」のレベルを確認します。前述の通り、現在の台湾は最も安全な「レベル0」ですが、国際情勢によって変化がないか、念のため自分の目で見ておくと安心です。 - ②「安全対策基礎データ」の熟読:
特に、ご家族の安全を第一に考えるあなた(健太郎さんのような方)に読んでいただきたいのが、この項目です。犯罪発生状況から、交通事故の傾向、そして万が一の際の警察や病院といった緊急連絡先まで、知っておきたい公式情報がここに網羅されています。一度目を通しておくだけで、心の準備が全く違いますよ。 - ③「スポット情報」で直前の動きをチェック:
そして出発の数日前、できれば直前にもう一度チェックしたいのが「スポット情報」です。ここには、突発的なデモや大規模な集会、あるいは台風などの自然災害に関する最新の注意喚起が掲載されることがあります。現地の状況を把握し、デモなどが行われている場所に不用意に近づかないためにも、非常に役立ちます。
これらのポイントを意識して、以下の公式サイトを確認してみてください。
そしてもう一つ、強くお勧めしたいのが「たびレジ」への登録です。これは、渡航先の最新情報や緊急事態発生時の連絡をメールで受け取れる、いわば「無料のお守り」のようなもの。現地で万が一の事態が起きた際に、日本政府があなたの安否を確認しやすくなります。ご自身の安全のため、そして日本で待つ家族を安心させるためにも、ほんの数分の手間ですから、必ず登録しておきましょう。
スマホとカードが鍵!eSIMとEasyCard活用術

現代の旅行において、スマートフォンとキャッシュレス決済は、もはや安全対策の必須アイテムと言っても過言ではありません。私が特に「これだけは絶対に準備していくべき」と断言したいのが、「eSIM」と「EasyCard」の活用です。この二つは、あなたの台湾旅行を劇的に快適で、そして何より安全なものに変えてくれる、いわば現代の旅の三種の神器ならぬ二種の神器ですね。
eSIM:常にネットに繋がるという、最強のお守り
eSIM(イーシム)とは、物理的なSIMカードを入れ替えることなく、スマホの設定だけで現地の回線を使えるようにする仕組みです。最大のメリットは、日本の空港を出発する前に設定を済ませておけば、台湾に到着した瞬間にスマートフォンがインターネットに繋がること。異国の地で、いつでも地図アプリで現在地を確認したり、お店の評判を調べたり、翻訳アプリを使ったりできるというのは、どれほどの安心感か想像できるでしょうか。
道に迷った時はもちろん、乗ったタクシーが変な方向に向かっていないかをリアルタイムで確認する際にも役立ちます。このように、常に情報にアクセスできる状態を作っておくことは、現地での情報格差をなくし、漠然とした不安を解消してくれる最も強力な武器の一つになります。旅行サイト(KlookやKKdayなど)で日本にいる間に簡単に購入・設定できるので、ぜひ準備していきましょう。
≪お使いのスマホがeSIM対応か確認を!≫
比較的新しい機種のスマートフォンであればほとんど対応していますが、念のため、ご自身の機種がeSIMに対応しているかどうか、事前に確認しておくことをお忘れなく。
EasyCard:現金のやり取りを減らし、スマートに防犯
EasyCard(悠遊カード)は、日本のSuicaやICOCAのような交通系ICカードです。MRTやバスはもちろん、コンビニ、スーパー、ドラッグストアなど、街中の本当に多くのお店で利用でき、現金のやり取りを大幅に減らすことができます。小銭を数える手間が省けて便利なだけでなく、支払いの際に高額紙幣の入った財布を人前で大きく開ける必要がないため、スリなどの盗難リスクをぐっと低減させる効果が期待できます。まさに一石二鳥のアイテムですね。
台湾に到着したら、桃園国際空港のMRT駅カウンターや、市中の駅の窓口、コンビニなどで簡単に購入・チャージができます。まず一枚手に入れて、少額をチャージしておくことを心からお勧めします。
もしもの時に。日本語が通じる病院と緊急連絡先

万全の準備をしていても、急な病気や怪我、盗難などのトラブルに遭う可能性はゼロではありません。もちろん、使わないに越したことはないのですが、そんな「もしも」の時に備えて、これらの連絡先を知っておくだけで、いざという時の心の落ち着きが全く違います。このページをスクリーンショットするか、ブックマークしておくだけでも、立派な旅のお守りになりますよ。
日本語対応可能な主な病院
台北には、ありがたいことに日本語での受診に対応している、近代的でレベルの高い病院がいくつかあります。旅行中に体調を崩してしまった場合は、慌てずにこれらの病院に連絡を取るのが最善策と言えるでしょう。
病院名 | エリア | 電話番号 | 特徴 |
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台安醫院(Taiwan Adventist Hospital) | 松山区 | (02)2771-8151 | 「国際医療センター」を設置しており、日本語対応に非常に定評がある病院です。 |
馬偕紀念醫院(Mackay Memorial Hospital) | 中山区 | (02)2543-3535 | 古くから日本人駐在員の利用も多く、日本人相談窓口があり安心して受診できます。 |
台湾大学医学部附属病院 | 中正区 | (02)2312-3456 | 台湾トップクラスの医療機関。国際医療センターで日本語によるサポートが可能です。 |
海外旅行保険は「最後の命綱」です
これはもう、絶対に忘れないでください。台湾の医療レベルは高いですが、保険がない場合の医療費は非常に高額になることがあります。万が一の入院や手術に備え、必ず海外旅行保険には加入しておきましょう。クレジットカードに付帯している保険を利用する予定の方は、その保険が「自動付帯」なのか「利用付帯」なのかを必ず確認してください。「利用付帯」の場合、ツアー代金や航空券をそのカードで支払っていないと保険が適用されないケースがあるので要注意です。補償内容と利用条件の事前確認は必須ですね。
警察・救急・日本台湾交流協会の連絡先
事件や事故に巻き込まれたり、パスポートを紛失したりした場合は、以下の連絡先に電話してください。私自身も、スマホの連絡先に「★台湾 警察」のように、★マークをつけてすぐに見つけられるように登録しています。いざという時に焦らずに済みますよ。
連絡先 | 電話番号 | 備考 |
---|---|---|
警察(事件・事故) | 110 | 日本と同じ番号なので覚えやすいですね。緊急時に使用します。 |
救急・消防 | 119 | こちらも日本と同じです。怪我や急病の際に使用します。 |
公益財団法人日本台湾交流協会 台北事務所 | (02)2713-8000 | パスポートの紛失・盗難など、日本人の援護を行ってくれる、日本の大使館に相当する機関です。 |
さて、これで万が一の備えも万全です。でも、忘れないでくださいね。このページは、あなたが一度も開くことなく旅を終えられるのが、一番の成功です。これまでお話ししてきた小さな注意点を心に留めておけば、きっとこのページの出番はないはず。さぁ、不安はここに置いて、思いっきり台湾を楽しんできてください!
結論:準備は最高の防犯。自信を持って台湾へ!

- 台湾の治安は世界的に見ても非常に良好なレベルにある
- 街中に張り巡らされた監視カメラが強力な犯罪抑止力になっている
- 台湾の人々は基本的に親切だが過度な馴れ馴れしさには注意が必要
- 厳しい法律と警察への信頼感が社会全体の安全を支えている
- 夜市や九份などの人混みではスリや置き引きに十分気をつける
- 貴重品はリュックを前に抱えるなど体の前で管理するのが基本
- タクシーは乗る前にメーター利用を確認するか配車アプリを使う
- 初対面でのうますぎる話や親しげな誘いははっきりと断る勇気を持つ
- 台北駅や萬華区は夜間の一人歩きでは少し気を引き締める
- 中山区、大安区、信義区は特に治安が良く滞在におすすめのエリア
- 交通ルールは日本と違い「車優先」だと肝に銘じて行動する
- 子連れ旅行では人混みで手を繋ぐなど迷子対策を徹底する
- MRTやバスの車内での飲食は罰金の対象となるため厳禁
- 喫煙は指定場所で行い電子タバコの持ち込みは絶対にしない
- 出発前には外務省の海外安全情報に目を通し「たびレジ」に登録する
- eSIMで常時ネット接続を確保しEasyCardで現金のやり取りを減らす
- 万が一に備え日本語対応病院や緊急連絡先を控えておくと安心
- 最高の防犯対策とは「正しい知識と周到な準備」である