台湾の気温と服装を完全解説!【季節・都市別ガイド】

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台湾旅行を計画しているけれど、現地の気温がどんな感じか、どんな服装を準備すればいいか迷っていませんか?特に、台湾の年間気温グラフを見ると季節の変わり目が分かりにくく、雨季がいつから始まるのか、現在の気候に合わせた服装はどうすれば良いのか、気になることが多いですよね。私自身、40代になった今でも、年に数回は訪れるほど台湾の魅力に取り憑かれていますが、初めての頃は服装選びで盛大に失敗した経験も少なくありません。この記事では、そんな私の実体験も交えながら、あなたの台湾旅行が最高に快適なものになるよう、気温と服装の情報を徹底的に解説していきます。

目次

台湾の気温と服装がわかる【基本ガイド】

台湾の気温と服装がわかる【基本ガイド】

まずは台湾の気候の基本と、旅行の服装を考える上での大きなポイントを解説します。ここを押さえておけば、大まかな旅行計画が立てやすくなりますよ。


【結論】今日の服装に迷ったら?台北の天気と服装ナビ

【結論】今日の服装に迷ったら?台北の天気と服装ナビ

旅行の準備、特に服装選びは本当に頭を悩ませますよね。私も昔は、到着してから「しまった、思ったより寒い(暑い)…」と後悔した経験が一度や二度ではありません。だからこそ、この記事ではあなたに、そんな失敗を絶対にしてほしくないと思っています。

先に結論からお伝えします。台湾の服装選びで最も重要なのは、現地の天気予報アプリで「体感温度」を確認すること…ではありません。もちろん、それも一つの方法ですが、もっと手軽に、そして計画段階から使える、私なりの「服装の正解」を導き出すナビゲーションツールをここに用意しました。まずは、あなたが旅行する「月」と「都市」を選んでみてください。

台湾 服装ナビ:月と都市から探す

服装選びの新常識:気温データより「重ね着の思想」

台湾の服装選びで、私が最も重要だと考えているのは、実は「重ね着(レイヤリング)を前提としたアイテム選び」です。なぜなら、台湾の気候は本当に一筋縄ではいかないからです。屋外は汗ばむ陽気なのに、MRT(地下鉄)やデパート、レストランに入った途端、驚くほど冷房が効いていて凍える、なんてことは日常茶飯事。これには、日本の夏の比ではないレベルで驚かされると思います。

基本的な考え方は「半袖や長袖Tシャツをベースに、シーンに応じて何をプラスするか」で考えること。この思考法が、荷物を最小限に抑えつつ、あらゆる状況に対応する鍵となります。

まぁ、正直なところ、私も最初は面倒に感じていました。しかしある時、真夏に半袖Tシャツ一枚で出かけてしまい、入ったレストランの強烈な冷房で食事が楽しめなかったという痛い経験をしてから、考えを改めたんです。

それからというもの、夏場でも必ずカバンに薄手のシャツかリネン素材のカーディガンを一枚忍ばせています。これが強い日差しから肌を守る日よけになりますし、キンキンに冷えた屋内での体温調節にもなって、まさに一石二鳥。最初は荷物が増えるように感じましたが、今ではこれがないと落ち着かないくらい、私の台湾旅行に欠かせない相棒のような存在になっていますね。


【都市別】台北・台中・台南・高雄の気候はこう違う!

【都市別】台北・台中・台南・高雄の気候はこう違う!

台湾旅行の計画で、私が最も重要だと考えているのが「都市ごとの気候の違いを理解すること」です。台湾は九州ほどの面積に過ぎませんが、北と南では気候が全くの別物。大げさではなく、まるで国内で海外旅行をするような感覚に近いかもしれません。この地理的な特性を事前に知っているかどうかで、旅の快適度は天と地ほど変わってきます。

特に、台北(北部)から高雄(南部)まで縦断するような計画を立てている方は注意が必要です。かつての私も「同じ島国だし、大して変わらないだろう」と高を括って荷造りをし、現地で服装の調整に苦労した経験があります。だからこそ、ここではまず、旅の計画の根幹となる「客観的なデータ」から見ていきましょう。

このデータ表は、あなたの旅程作り、特に服装計画における羅針盤になるはずです。

【完全版】台湾4大都市 気候データ比較表(気温・降水量)

※気象庁の過去のデータ(1991年~2020年の平年値)を基に作成

都市項目1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
台北
(北部)
最高気温(℃)19.720.322.726.529.532.634.734.131.127.724.921.2
最低気温(℃)14.114.416.219.422.625.126.626.324.722.319.515.8
降水量(mm)93.8129.5167.3150.9245.5375.4299.1360.7369.3163.583.979.4
台中
(中部)
最高気温(℃)22.222.725.128.330.732.433.533.032.129.927.423.9
最低気温(℃)13.314.116.319.622.824.925.725.424.522.419.015.0
降水量(mm)35.546.970.1111.9233.9381.1346.9411.3240.223.816.526.9
台南
(南部)
最高気温(℃)23.024.026.629.531.632.733.432.932.330.828.424.7
最低気温(℃)15.616.318.521.924.826.527.126.726.024.421.217.3
降水量(mm)20.326.843.483.9179.9414.9418.1541.5281.832.317.019.7
高雄
(南部)
最高気温(℃)24.525.227.329.731.632.733.432.832.230.828.825.9
最低気温(℃)16.817.519.722.925.326.727.226.826.224.822.218.6
降水量(mm)16.821.939.270.3197.3415.3416.7549.3298.543.719.416.5

このデータを見ると、いくつかの面白い事実に気づくはずです。もし気候の専門家がこの表を分析するなら、きっとこう言うでしょう。「注目すべきは、単なる南北の平均気温差だけではありません。冬場の最低気温の差と、降水量が劇的に変化する季節です」と。

この専門家の視点を持って、各都市の気候と、それに最適な服装を具体的に見ていきましょう。

北部:台北(タイペイ)の気候と服装

多くの旅の玄関口となる首都・台北は「亜熱帯気候」に分類されます。夏は高温多湿で、東京の真夏を想像していただければ、ほぼ間違いありません。問題は、冬の季節です。

データを見ると、冬(12月~2月)の最低気温は14℃前後。これだけ見ると「たいして寒くないのでは?」と感じるかもしれません。しかし、私が初めて冬の台北を訪れたときに痛感したのは、数字では表せない「湿気を含んだ寒さ」でした。降水量のデータが示す通り、台北の冬は雨季にあたり、曇りや小雨の日が多くなります。この高い湿度が体温をじわじわと奪い、骨身に染みるような寒さを感じさせるのです。

ですから、冬の台北へ行くなら、フリースやユニクロのウルトラライトダウンのような、軽くて保温性の高い上着は必須アイテム。撥水性のあるジャケットなら、なお心強いでしょう。逆に夏は、徹底した暑さ対策と、強すぎる冷房に対応するための薄手の羽織もの、この2点があれば快適に過ごせるはずです。

中部:台中(タイチュン)の気候と服装

台中は、台湾の人々が「住みやすい街」として挙げることも多い都市で、その理由は気候にあります。データを見ても、台北に比べて年間の降水量が少なく、特に冬(11月~1月)は晴天が続きやすいことが分かります。これが、旅行者にとっても大きな魅力となるわけです。

ただし、一つ注意したいのは盆地特有の「朝晩の寒暖差」です。日中はポカポカ陽気で上着が要らないくらいでも、日が落ちると想像以上にひんやりすることがあります。例えば11月なら、最高気温は27.4℃ですが最低気温は19.0℃と、8℃以上の差があります。

ここでの服装戦略の鍵は、やはり「温度調整しやすい重ね着」です。日中はTシャツ一枚で、朝晩や肌寒いときのために、さっと羽織れるシャツやパーカーを用意しておく。この準備があるだけで、一日を通しての快適さが格段に向上します。

南部:台南(タイナン)の気候と服装

古都・台南まで南下すると、気候は「熱帯」へと変わります。ここでの気候の考え方は、もはや「四季」ではなく、雨が少ない「乾季」と、雨が多い「雨季」で捉える方が現実に即しています。

データが示す通り、一年を通して温暖で、特に冬の快適さは格別です。例えば2月、台北の最低気温が14.4℃なのに対し、台南は16.3℃。最高気温に至っては、台北の20.3℃に対し、台南は24.0℃と、約4℃も高いのです。これだけ違うと、体感としては全く別の季節。日中であれば半袖で心地よく過ごせる日も少なくありません。

服装は、年間を通して夏を意識したもので問題ないでしょう。冬場であっても、基本は半袖や薄手の長袖。保険として、ごく薄いパーカーやカーディガンが1枚あれば十分対応できます。台北と同じ感覚で厚手の上着を持っていくと、それは荷物になるだけかもしれません。

南部:高雄(カオション)の気候と服装

台湾第二の都市・高雄も、台南と同じく熱帯気候に属します。港町らしい開放的な雰囲気は、この太陽の恵みを受けた気候が生み出しているのかもしれません。一年中、日差しが強いので、紫外線対策はもはや必須の習慣と考えるべきです。

ここで服装を選ぶ際に最も重視すべきは、気温よりも「通気性」と「速乾性」、そして「日差し対策」でしょう。冬でも寒さを心配する必要はほとんどありません。むしろ、強い日差しから肌を守るためのUVカット機能付きの薄手のシャツや、帽子、サングラスといったアイテムが、季節を問わず活躍してくれます。

もし2月に台北と高雄を周遊するなら、その服装は全く異なります。台北では東京の3月下旬、高雄では5月下旬くらいの服装をイメージすると、かなり具体的に考えられるのではないでしょうか。

【結論】台湾縦断旅行の荷造り術

さて、ここまで見てきたデータを踏まえ、もしあなたが台湾を北から南へ縦断するなら、どう荷造りすべきか。私の結論は、「都市ごとに服装を切り替える前提で、効率的なレイヤリング(重ね着)を組む」ことです。

例えば、計画する2月の旅行で考えてみましょう。私であれば、以下のように計画します。

  • ベースレイヤー:吸湿速乾性の高い半袖Tシャツ(南部の街ではこれが主役)
  • ミドルレイヤー:薄手の長袖シャツやパーカー(北部・中部の朝晩や冷房対策用)
  • アウターレイヤー:軽量なライトダウンや撥水ジャケット(台北の寒さと雨に備える)

こうして準備し、台北では3枚すべてを着込み、台中ではアウターを脱ぐ。そして高雄に着いたら、アウターとミドルレイヤーはスーツケースにしまい、ベースのTシャツ1枚で過ごす。こう考えれば、1つのスーツケースでも十分に対応できる気がしませんか。あれもこれもと万能な服を探すより、都市ごとに役割を分ける方が、結果的に荷物はスマートになり、旅の快適さも増す。これが、私が数度の台湾旅行でたどり着いた答えです。


台湾旅行のベストシーズンは?気温・降水量の年間グラフ

台湾旅行のベストシーズンは?気温・降水量の年間グラフ

「台湾旅行はいつが一番いいですか?」これは、本当によく聞かれる質問です。もしあなたが、日本の秋のようにカラッとして過ごしやすい気候を何よりも重視するなら、私も迷わず秋(10月〜11月)をおすすめします。長く続いた蒸し暑さと台風の季節が終わり、街歩きが心から楽しくなる、まさに「黄金の季節」と言えるでしょう。

ただ、人によっては「旅費を抑えたい」「旬のフルーツが食べたい」など、旅に求めるものは様々ですよね。だからこそ、ここでは単に「秋がベスト」と結論づけるのではなく、あなた自身が「自分にとってのベストシーズン」を見つけ出すための、客観的な判断材料を提示したいと思います。

特に、日本の夏の蒸し暑さが苦手な方にとっては、気温以上に「湿度」のデータが重要な鍵を握っています。まずは、台北の気候を1年通して視覚的に理解できる、こちらのグラフをご覧ください。

<凡例>赤字:最高気温 青字:最低気温 橙字:湿度 棒グラフ:降水量

台北の気候を1年通して視覚的に理解できる気温・湿度・降水量グラフ
※出典:台湾中央気象署の平年値に準拠

いかがでしょうか。このグラフをじっくり眺めると、台湾の気候の様々な顔が見えてきます。もし気象予報士がこのグラフを解説するなら、きっとこんな風に話すはずです。

「まず注目すべきは、5月から9月にかけて突出している青い棒グラフ、降水量です。これは台湾の梅雨と台風シーズンにあたり、旅行計画に影響を与える可能性があることを示しています。そしてもう一つ、日本の蒸し暑さが苦手な方が見るべきは、気温を示すオレンジの線と、湿度を示すグレーの破線の関係性。気温が30℃を優に超える一方で、湿度も年間を通して75%前後と高い数値を維持するため、6月〜9月はデータ上でも一年で最も厳しい『蒸し暑さ』が続く期間だと読み取れます」

正直なところ、私も夏の京都で蒸し暑さに参ってしまった経験があるので、この時期の台北の空気感はよく分かります。気温の数字以上に、まとわりつくような湿気が体力を奪っていく感じがするんですよね。

では、なぜ10月〜11月がこれほど快適なのでしょうか。もう一度グラフを見てみてください。9月まで30℃を超えていた最高気温が、10月には27.7℃、11月には24.9℃と、過ごしやすい範囲に落ち着きます。そして、降水量も大幅に減少します。データを見ると、湿度自体は75%前後と年間を通して大きな変動はありません。しかし、気温が下がることで、肌にまとわりつくような不快な蒸し暑さが劇的に和らぐのです。これらの好条件が重なるからこそ、誰もが認めるベストシーズンとなるわけです。

もちろん、これはあくまで「快適さ」を最優先した場合の話。例えば、濃厚な甘さのアップルマンゴーが目的なら、旬を迎える夏の時期(5月~7月)をあえて選ぶのも立派な選択です。旅の目的に合わせて時期を選ぶ。これもまた、旅の醍醐味と言えるでしょう。

台風シーズン(6月〜9月)の旅行で心に留めておきたいこと

もしあなたが台風シーズンに台湾を訪れる計画を立てているなら、いくつか心構えをしておくと、いざという時に慌てずに済みます。フライトの遅延や欠航は当然のこと、現地の鉄道やバスといった公共交通機関が全面的にストップすることもあります。

私自身も、過去に台風の直撃で丸一日ホテルから出られなくなった経験があります。ただ、そんな時でも楽しめるように、評判の良いカフェのリストを作っておいたり、Kindleに読みたい本を数冊ダウンロードしておくだけで、気持ちの余裕は全く違ってくるものです。万が一に備え、旅行保険への加入と合わせて、そんな「おこもりプラン」も考えておくと、より安心して旅立てるはずですよ。


【重要】日本の常識は通じない?台湾の湿度・紫外線対策

【重要】日本の常識は通じない?台湾の湿度・紫外線対策

台湾の気候を語る上で、気温と同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上にあなたの旅の質を左右するのが「湿度」と「紫外線」です。これらを日本の感覚のまま現地に持ち込んでしまうと、せっかくの旅行が台無しになりかねません。ここでは、旅を心から楽しむための、防御的な知識についてお話しさせてください。

まぁ、正直なところ、夏の台湾の蒸し暑さは想像を絶しますよ。外を5分歩いただけで汗が滝のように噴き出し、Tシャツが絞れるほど濡れてしまうことも。逆に冬は、その湿気が冷たい空気と結びついて、体にまとわりつくような、じっとりとした寒さに変わるんです。これが結構こたえるんですよね。

湿度対策:不快指数ではなく「健康管理」と心得る

台湾の高い湿度は、単に不快なだけではなく、熱中症のリスクを格段に高める、健康に関わる重要な要素です。なぜそこまで警戒すべきかというと、台湾では「高い気温」と「高い湿度」がセットになる期間が、日本に比べて圧倒的に長いからに他なりません。

例えば、東京で気温30℃以上、湿度75%以上という厳しい条件が続くのは、主に7月と8月が中心ですよね。しかし台北に目を向けると、5月から10月にかけての約半年間、最高気温が30℃前後、そして平均湿度が75%前後という状況が続きます。この「蒸し暑い期間の長さ」こそ、日本の夏の感覚と決定的に違う点なのです。

専門家が用いる「不快指数」という指標で言えば、「ほとんどの人が不快に感じるレベル」の日が、台湾は日本よりはるかに多いと考えてください。だからこそ、服装選びが重要になります。汗を吸っても全く乾かず、冷房が効いた屋内に入った途端に体を冷やしてしまう綿100%のTシャツより、汗をかいても素早く乾く化学繊維(ポリエステルなど)の服が、体を守る上で非常に合理的な選択となるわけです。

紫外線対策:季節や天候に関わらず「一年中が真夏レベル」

台湾は日本よりもずっと南の、沖縄よりもさらに南に位置しています。この地理的な事実が意味するのは、一年を通して紫外線が強烈だということです。

気象機関が発表するUVインデックスという指標で見ると、台北の夏は「極端に強い」レベルに達し、これは無防備な肌には危険とされる水準です。しかし、本当に注意すべきはむしろ、日差しが和らぐ季節や天気。例えば、台湾の冬や曇りの日であっても、日本の感覚で言えば4月や5月、つまり紫外線が強くなり始める季節と同等か、それ以上の量が降り注いでいます。

私自身、冬の旅行で「このくらい大丈夫だろう」と油断し、気づけば首の後ろだけ真っ赤に日焼けしてヒリヒリさせた苦い経験があります。それ以来、台湾では季節や天候を問わず、紫外線対策は必須の習慣になりました。

私の失敗から学んだ必須の紫外線対策グッズ

  • 日焼け止め:SPF50+、PA++++といった最高クラスのものを。汗で流れるので、2〜3時間おきの塗り直しが鉄則です。
  • 帽子:頭皮や顔を守るのはもちろん、熱中症予防の観点からも欠かせません。現地では多くの人が帽子をかぶっています。
  • サングラス:目から入る紫外線は、体全体の疲労に繋がると言われています。お洒落のためだけでなく、目を守るためにぜひ。
  • UVカット機能のある羽織もの:物理的に日差しを遮るのが最も効果的です。急な冷房対策にもなるので、まさに一石二鳥のアイテムとなります。

【保存版】荷物を減らす達人のパッキング術&持ち物リスト

【保存版】荷物を減らす達人のパッキング術&持ち物リスト

何度も台湾へ足を運ぶうちに、だんだんとパッキングが「作業」から「技術」に変わっていくのを感じてきました。特に、限られたスーツケースの容量で、台北の冬の雨から高雄の夏の陽射しまで、異なる気候を乗りこなす必要がある旅では、その真価が問われます。

ここでは、単なる荷物を減らす小手先の技ではありません。旅の快適さを最大化し、どんな状況にもスマートに対応するための、私の経験に基づいた「戦略的パッキング」の考え方と、本当に役立つ持ち物リストを共有させてください。

戦略的パッキングの3原則

私が台湾旅行の荷造りで最も大切にしているのは、以下の3つの原則です。特に一つ目の「重ね着」は、台湾旅行のパッキングにおける心臓部と言っても過言ではありません。

  1. 「重ね着(レイヤリング)」で複数の気候を制する
    これは、もともと登山などのアウトドアで用いられる考え方ですが、南北に気候が大きく異なる台湾を旅するには、これ以上なく有効な戦略です。基本は、役割の違う3種類の服を組み合わせることです。
    • ベースレイヤー(肌着層):汗を素早く吸い、乾かす
      台湾の気候で最も厄介なのが「湿気」です。汗をかいた後に綿の肌着を着ていると、なかなか乾かずに体を冷やし、体調不良の原因になります。私のおすすめは、ユニクロの「エアリズム」のような高機能化学繊維のインナー。肌を常にドライに保ってくれるので、驚くほど快適さが違います。
    • ミドルレイヤー(中間着):体温を保つ(保温)
      ここが温度調整の要です。薄手のフリースやウールシャツも良いですが、私にとっての最強アイテムは「インナーダウン(薄手のダウンジャケット)」です。信じられないほど軽く、小さく収納できるのに、保温力は抜群。アウターとしても、コートの下に着る中間着としても使えるので、これ一枚で何役もこなしてくれます。
    • アウターレイヤー(外殻層):雨と風から体を守る
      防寒はミドルレイヤーに任せるので、アウターに分厚さは必要ありません。ゴアテックスに代表されるような、防水性と透湿性を備えた「薄くて軽いシェルジャケット」が理想です。雨を防ぎつつ、内側の湿気は外に逃がしてくれるので、蒸れずに済みます。
    例えば、冬に台北から高雄へ縦断する旅なら、この3層を基本に考えます。雨がちな台北では3枚すべてを着込み、温暖な高雄に着いたらアウターとミドルレイヤーを脱いでリュックにしまう。こうすれば、かさばる冬のコートなしで、15℃の雨天から25℃の晴天まで、完璧に対応できるというわけです。
  2. 1つのアイテムに「2つ以上の役割」を持たせる
    これは着回し力の話ですが、より戦略的に考えます。例えば、「この黒いパンツは、昼間の街歩き(スニーカーと合わせる)と、夜の少し良いレストラン(革靴と合わせる)の両方で使う」とか、「この長袖シャツは、夏の強い日差しを避ける日よけと、冷房が効いた室内での羽織ものの両方を兼ねる」といった具合です。出発前に、持っていく服一つ一つに複数の役割を与えられるか自問自答すると、荷物は劇的に減っていきます。
  3. 「現地調達」を恐れない勇気を持つ
    シャンプーやボディソープといったアメニティ類は、現地のコンビニやドラッグストア(ワトソンズ、コスメドは至る所にあります)で、驚くほど多彩な品揃えの中から選べます。こだわりのものでなければ、思い切って置いていくのも一つの手。ただし、ご自身の肌に直接触れる化粧品や、飲み慣れた常備薬など、替えがきかないものだけは、必ず日本から持参するようにしてください。

【気候・シーン別】台湾旅行持ち物チェックリスト

あなたの旅の時期やスタイルに合わせて、必要なものを取捨選択してみてください。

【基本セット(最重要)】

  • パスポート(有効期限の確認を!)
  • 航空券(eチケットお客様控え)
  • 現金(台湾ドルと、帰国時用の日本円)
  • クレジットカード(VISAかMastercardが使いやすいです)
  • スマートフォンと充電器

【快適な旅のための準レギュラー】

  • モバイルバッテリー(地図アプリは電池を消耗します)
  • 海外旅行保険証(万が一の備えは心の余裕に繋がります)
  • 常備薬(胃薬、鎮痛剤、整腸剤など飲み慣れたもの)
  • ウェットティッシュ(屋台グルメを楽しむ際に大活躍)
  • エコバッグ(台湾ではレジ袋は有料です)
  • 折りたたみ傘(晴雨兼用が最強)

【夏(5月~9月)に真価を発揮するアイテム】

  • 制汗シート・汗拭きシート
  • 携帯用の小型扇風機
  • 帽子・サングラス(紫外線対策の基本)
  • 虫除けスプレー(特に自然の多い場所へ行くなら)

【冬(12月~2月)に忘れると後悔するアイテム】

  • 使い捨てカイロ(貼るタイプが便利)
  • 保湿クリーム・リップクリーム(意外と乾燥します)
  • インナーダウン(前述の通り、最強の温度調整役)

月別の台湾の気温と服装【詳細ガイド】

月別の台湾の気温と服装【詳細ガイド】

ここからは、月ごとの気候の特徴と、より具体的な服装のポイントを私の経験を交えて解説していきます。あなたの渡航時期に合わせてチェックしてみてください。


【秋:9月・10月・11月】最高のシーズンを快適に過ごす服装

【秋:9月・10月・11月】最高のシーズンを快適に過ごす服装

多くの旅慣れた人が「台湾のベストシーズンは秋」と口を揃えます。気候が安定し、中秋節のような大きなイベントも楽しめる、まさに旅行にうってつけの季節。ただ、一口に秋と言っても、月ごとに少しずつ気候の顔つきが異なります。その違いをしっかり理解することが、最高の旅行体験への第一歩となるでしょう。

9月の服装:残暑と台風、秋の気配を感じる服装へ

9月の台湾旅行を計画するなら、気候的にはまだ夏の延長線上にある、と考えた方が良いかもしれません。日中の最高気温は30℃を超える日も多く、服装は基本的に日本の真夏の格好で全く問題ありません。

ただし、この時期に絶対に忘れてはならないのが「台風」のリスクです。統計的に見て、9月は一年で最も台風が台湾に接近・上陸しやすい月。旅行日程と台風の予報が重なってしまった場合は、無理な移動は避け、屋内施設を楽しむプランに切り替えるなどの柔軟な判断が求められます。

服装は、通気性の良い半袖と短パンで十分快適ですが、突然のスコールに備えて、汗や雨で濡れてもすぐに乾く化学繊維の素材を選ぶと、不快感が格段に減ります。また、台風の影響で風が強くなることも想定し、薄手のウインドブレーカーがバッグに一枚あると、いざという時に本当に心強いですよ。

【推奨コーデ例】9月の台湾、残暑と雨を乗り切る!
男性向けの服装例

トップスは吸湿速乾性の機能性Tシャツがベスト。ボトムスも、濡れることを想定して水着としても使えるようなナイロン製のショートパンツなどが理想的です。足元は、迷わずスポーツサンダルをおすすめします。突然の雨でも気にせず歩け、すぐに乾くので非常に快適です。小さく折りたためる撥水性のウインドブレーカーをリュックに忍ばせておけば、完璧な備えと言えるでしょう。

女性向けの服装例

風通しの良いサマーワンピースや、Tシャツにリネン素材のワイドパンツといった涼しい格好が基本です。ただし、乗り物や屋内は冷房が強く効いていることが多いので、UVカット機能も兼ねた薄手のパーカーやシャツを羽織ものとして必ず携帯してください。靴は、たくさん歩けて濡れても平気なスポーツサンダルや、乾きやすい素材のフラットシューズが重宝します。

10月の服装:乾季の始まり、過ごしやすい秋晴れの日

10月に入ると、台湾はようやく長く続いた夏から解放され、本格的な秋の顔を見せ始めます。台風シーズンも終わりを告げ、悩ましかった湿度も下がり始めるため、カラッとした気持ちの良い秋晴れが続く、まさに観光のゴールデンシーズン。もし、あなたも「せっかくの旅行、気候で絶対に失敗したくない」と考える快適さ重視の方なら、この10月が本命の月と言えるでしょう。

この時期の服装は、日中は半袖Tシャツ一枚で心地よく過ごせる日が多いです。ただ、朝晩は少し涼しく感じられるようになるため、薄手の長袖シャツやカーディガン、パーカーといった、さっと羽織れるものが一枚あると完璧な温度調整ができます。日差しはまだまだ強いので、帽子やサングラスといった紫外線対策は引き続きお忘れなく。

【推奨コーデ例】10月の台湾、おしゃれが楽しい季節!
男性向けの服装例

日中は半袖Tシャツで十分ですが、朝晩や冷房対策に、薄手の長袖シャツを持っていくのがおすすめです。チェック柄や無地のコットンシャツなら、Tシャツの上に羽織っても良いですし、日中暑いときは腰に巻いておけばアクセントにもなります。パンツはジーンズやチノパンなどのロングパンツで。一日を通して快適に過ごせる、日本の秋の始まりのような服装がぴったりです。

女性向けの服装例

半袖や七分袖のカットソーに、薄手のカーディガンやGジャンを合わせるスタイルが王道です。ボトムスはスカートでもパンツでも、どんなものでも合わせやすい気候。日中の日差し対策と、夜の肌寒さ対策の両方に使える大判のストールは、この時期に一枚持っていくと、本当にお役立ちアイテムになりますよ。

11月の服装:朝晩の冷え込みに備える羽織もの必須

さて、卒業旅行などで11月の台湾行きが決まり、出発を間近に控えて「何を着ていけばいいんだ?」とクローゼットの前で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。結論から言います。基本の服装は「長袖Tシャツ+軽く羽織れるジャケット」で、日本の冬に着るような厚手のコートは絶対に必要ありません。

まず客観的なデータを見てみましょう。11月の台北は、平均最高気温が約25℃、最低気温も20℃近くあります。これを日本の気候に置き換えると、だいたい「東京の10月上旬から中旬」くらいの感覚です。そう考えると、どんな服を持っていくべきか、ぐっとイメージが湧きませんか?

文字だけでは分かりにくいと思うので、私がおすすめするコーディネートを、街中のスナップ写真のようなイメージでご紹介します。

【推奨コーデ例】11月の台北、これなら間違いなし!
男性向けの服装例

インナーは、ごく普通のクルーネックの長袖Tシャツで十分。その上に、デニムジャケットやマウンテンパーカー、コーチジャケットのような、そこまで厚くないアウターを羽織るスタイルが一番理にかなっています。パンツはジーンズやチノパンでOK。日中、九份などを歩き回って少し汗ばんできたら、ジャケットを脱いで腕にかけたり、リュックにしまえばスマートに対応できます。これなら荷物もかさばらず、仲間内で服装が浮くこともまずないでしょう。

女性向けの服装例

日中は薄手のニットや長袖のブラウス一枚で快適に過ごせます。アウターには、トレンチコートや少し厚手のカーディガンなどがぴったり。日差しがあるうちは暖かくても、日が暮れたり、MRT(地下鉄)の駅に入ったりすると急に肌寒く感じることがあります。そんな時に、温度調整とファッションのアクセントを兼ねて、ストールを一枚持っていると非常に重宝しますよ。

このように、「重ね着」で調整できる服装を準備しておくのが、11月の台湾を最も賢く、そして快適に楽しむための鍵となります。


【冬:12月・1月・2月】冬の台北は寒い?南北縦断の服装計画

【冬:12月・1月・2月】冬の台北は寒い?南北縦断の服装計画

「台湾の冬は暖かいんでしょ?」というイメージ、これは半分正解で半分間違いです。正確に言うと、それは南部の話。北部の台北では、日本の冬とは質の違う、じっとりとした湿気を伴う「骨身に染みる寒さ」が待っています。この気候の二面性を理解することが、冬の台湾旅行を成功させる最大の秘訣と言えるでしょう。

12月の服装:雨の多い冬、クリスマスの街歩きコーデ

12月の台北は、もうすっかり冬の街です。平均気温は18℃前後ですが、雨が多く湿度が高いため、実際の体感温度は数字よりもかなり低く感じられます。個人的な感覚では、東京の11月下旬から12月上旬くらいの、冬用コートが必要になる気候をイメージすると、大きく外さないはずです。街はクリスマスのイルミネーションで華やぎますが、屋外を長く散策するには、しっかりとした防寒対策が欠かせません。

【推奨コーデ例】12月の台北、雨と寒さに備える!
男性向けの服装例

ヒートテックのような機能性インナーの上に、ウールのセーターや厚手のスウェットを。アウターには、風を通しにくいトレンチコートや、中綿入りのブルゾンが適しています。雨が多い季節なので、アウターに撥水性があると非常に心強いですね。マフラーやニット帽といった冬小物も、寒さ対策とお洒落を両立させる上で活躍してくれます。

女性向けの服装例

暖かいニットのインナーに、ウールのコートを合わせるような、日本の冬の始まりの服装が基本です。足元からの冷え対策として、ショートブーツもおすすめ。雨に備えて、撥水加工のある靴を選ぶか、防水スプレーをかけておくと安心です。屋内は暖房が効きすぎていることが少ないので、室内でも羽織っていられるカーディガンなども便利ですよ。

1月の服装:最も冷え込む時期、旧正月の服装マナー

1月は、一年で最も気温が下がる、台湾の冬の底と言える月です。台北では最低気温が10℃を下回る日も珍しくなく、強い北風が吹くと体感温度はさらに下がります。加えて、台湾の建物は日本の住宅ほど気密性が高くないため、ホテルなどの屋内でも、意外なほどひんやりとした寒さを感じることがあるので油断は禁物です。

【推奨コーデ例】1月の台北、真冬の防寒スタイル!
男性向けの服装例

軽量で暖かいライトダウンジャケットが、この時期の台北では主役級の活躍を見せます。インナーにニットやフリースを着込めば、ほとんどの寒さに対応可能です。寒がりの方は、機能性インナーを2枚重ねにするのも裏技。手袋やネックウォーマーといった小物も、持っていくと快適さが格段に向上します。

女性向けの服装例

厚手のウールコートやボアジャケット、ダウンコートなど、しっかりとした防寒アウターが必要です。特に夜市など、夜に屋外で長時間過ごす予定があるなら、最大限の防寒を。旧正月(春節)のお祝いムードに合わせて、縁起の良い赤色をマフラーやニットで取り入れると、現地に溶け込めて旅が一層楽しくなるかもしれません。

旧正月(春節)の注意点

旧正月の時期は、多くのお店が休業したり、営業時間を短縮したりします。また、公共交通機関も帰省ラッシュで大変混雑します。この時期に旅行する場合は、行きたいお店の営業情報や交通状況を事前にしっかり調べておくことが、計画倒れを防ぐために非常に重要です。

2月の服装:春節とランタンフェスティバルを楽しむ防寒着

2月の気候は、北部は1月から続く冬の寒さ、南部では春の気配が感じられる、まさに台湾の気候の多様性を最も体感できる月です。だからこそ、南北を縦断するような旅を計画している方にとって、服装計画が最も難しく、そして面白い時期でもあります。

この挑戦的な課題に対する私の答えは、これまでの情報を統合した「戦略的レイヤリング(重ね着)」にあります。以下に、2月の南北縦断という、最も複雑な要求に応えるための、私の最終的な服装プランを提示します。

【結論】2月の南北縦断・究極の服装戦略

まず、2月の台北(北部)と高雄(南部)の気候データを思い出してください。台北は最高20.3℃/最低14.4℃で雨が多く、東京の3月下旬のような気候。一方、高雄は最高25.2℃/最低17.5℃で晴れの日が多く、東京の5月上旬のような陽気です。この「肌寒い雨の3月」と「汗ばむ晴天の5月」を、一つのスーツケースで乗り切るための服装がこちらです。

男性向けの服装例(4層構造)
  1. ベース層(肌着):吸湿速乾性の長袖Tシャツ
  2. ミドル層①(シャツ):着回しの効くコットンシャツ
  3. ミドル層②(保温着):インナーダウン(軽量・コンパクトなもの)
  4. アウター層(外殻):撥水・防風性のあるトレンチコートやシェルジャケット

雨の台北(15℃):1+2+3+4のフル装備。ストールやマフラーも追加。

【シーン別着回し術】

晴れた台中(20℃):1+2+4。コートを主役にした、きれいめなコーディネートに。

暖かい高雄(25℃):2のみ。ブラウス1枚で軽やかに。

夜のカフェ巡り(室内外の差):1+2+3。アウターを脱いでも様になり、寒さにも対応。

女性向けの服装例(4層構造)
  1. ベース層(肌着):ヒートテックなどの機能性インナー
  2. ミドル層①(トップス):薄手のニットやブラウス
  3. ミドル層②(保温着):インナーダウン、または厚手のカーディガン
  4. アウター層(外殻):ライナー付きのトレンチコートなど、着回しやすいもの

【シーン別着回し術】

雨の台北(15℃):1+2+3+4のフル装備で寒さと雨を完全にブロック。

晴れた台中(20℃):1+2+4。インナーダウンを脱ぎ、コートを羽織る軽快なスタイルに。

暖かい高雄(25℃):1+2。シャツを主役にした、春の装い。

夜のランタン祭り(冷え込む):1+2+3。アウターなしで身軽に動け、かつ保温性は確保。

このように、各アイテムの役割を明確にし、脱ぎ着することで温度調整を行う。これが、荷物を最小限に抑えつつ、台湾の多様な冬を最大限に楽しむための、最も合理的で賢い答えだと私は考えています。


【春:3月・4月・5月】天気は不安定?賢い重ね着と持ち物

【春:3月・4月・5月】天気は不安定?賢い重ね着と持ち物

春の台湾は、桜が咲き、暖かな日差しが心地よい日が増える一方で、天気が非常に不安定になる季節です。まさに「春に三日の晴れなし」という言葉がぴったりの、少し気まぐれな時期。しかし、この時期特有の花々や、ベストシーズンを外したからこその落ち着いた雰囲気を楽しめる、玄人好みの季節でもあるのです。

3月の服装:春の訪れと花見シーズン、寒の戻りに注意

3月になると、長く続いた冬の湿っぽい寒さが和らぎ、ようやく春の陽気を感じられる日が増えてきます。陽明山などでは美しい桜も見頃を迎え、お花見も楽しめます。ただ、この時期に最も警戒すべきなのが、時折やってくる「寒の戻り」です。日中は20℃を超えて暖かいと思った翌日に、北からの寒気で15℃近くまで下がり、冬のような寒さに逆戻りすることも珍しくありません。

【推奨コーデ例】3月の台湾、寒暖差を乗りこなす!
男性向けの服装例

基本は長袖Tシャツにパーカーや薄手のジャケットといった、日本の春先の格好です。ポイントは、アウターの下にインナーダウンを一枚忍ばせておくこと。日中はリュックにしまい、寒の戻りがあった日や夜の冷え込みに対応する。この一枚が、この時期の旅の快適さを大きく左右します。

女性向けの服装例

長袖のブラウスに春物のニットやカーディガンを合わせ、アウターにはトレンチコートが活躍します。寒暖差対策として、やはりストールは必須アイテム。首に巻くだけで体感温度がかなり変わりますし、ファッションのアクセントにもなります。天気予報をこまめにチェックして、服装を調整する意識が大切です。

4月の服装:暖かさと共に増える雨、梅雨の走り

4月はさらに暖かくなり、日によっては汗ばむほどの陽気になります。しかし、それと同時に雨の日が目に見えて増え始め、台湾の長い雨季の始まりを感じさせます。この時期の雨、実は後の梅雨本番の雨とは少し性質が違うんです。

少し専門的な話をすると、この時期の雨は主に中国大陸から伸びてくる「華南前線(春雨前線)」がもたらします。そのため、短時間で激しく降るというよりは、霧雨に近く、一日中しとしとと降り続くことが多いのが特徴。これが、傘をさしていてもじわじわと体力を奪う、旅人にとっては少し厄介な雨なのです。

【推奨コーデ例】4月の台湾、しとしと雨に備える!
男性向けの服装例

撥水性のあるマウンテンパーカーやウインドブレーカーが、この時期のアウターとして最適です。フード付きなら、少しの雨なら傘なしで歩けて便利。インナーは半袖Tシャツで十分ですが、パンツは乾きやすい化学繊維のものを選ぶと、濡れても不快感が少なくて済みます。

女性向けの服装例

雨で足元が悪くなることを考え、動きやすいパンツスタイルがおすすめです。アウターには、撥水加工されたきれいめのブルゾンなどがあると、観光にも食事にも対応できて重宝します。靴は、思い切って濡れても良いサンダルを選ぶか、防水スプレーをかけたスニーカーが良いでしょう。

個人的な意見ですが、4月、5月の台湾旅行には、サンダルを必ず持っていきますね。急な雨で靴がびしょ濡れになると、本当に不快指数がMAXになりますから。現地の若者もサンダル履きの人が多いので、街で浮いてしまう心配は全くありませんよ。

5月の服装:本格的な梅雨入り、蒸し暑さへの備え

5月中旬頃から、台湾の梅雨は次のステージへ移行します。太平洋高気圧の勢力が強まることで、南西からの暖かく湿った空気、いわゆる「南西モンスーン」が流れ込みやすくなり、大気の状態が非常に不安定になるのです。このため、4月のしとしと雨とはうって変わり、短時間にバケツをひっくり返したような「スコール」に見舞われることが増えます。気温と湿度が同時に急上昇し、体感としては日本の真夏と変わらない、厳しい蒸し暑さの始まりです。

【推奨コーデ例】5月の台湾、夏の始まりに備える!
男性向けの服装例

服装は、ためらわずに「真夏」のスタイルへ。吸湿速乾性のTシャツに、ショートパンツ、足元はサンダルが基本です。スコールで濡れることは前提と考え、濡れてもすぐ乾く服装を心がけてください。汗を大量にかくので、着替えのTシャツを一枚バッグに入れておくと、レストランなどに入る前に着替えられて快適です。

女性向けの服装例

こちらも涼しさ最優先で、風通しの良いワンピースや、Tシャツにショートパンツといった夏の装いがベストです。ただし、繰り返しますが、屋内は冷房が極端に効いている場所が多いため、体を冷やしすぎないための薄手のカーディガンやシャツは、この時期でも絶対に手放せない必須アイテムとなります。


【夏:6月・7月・8月】酷暑と台風・雨季への完全対策

【夏:6月・7月・8月】酷暑と台風・雨季への完全対策

夏の台湾旅行は、はっきり言って「暑さとの戦い」です。気温35℃以上、湿度80%以上という環境は、もはや観光ではなくサバイバルに近いものがあります。しかし、正しい知識と戦略があれば、この季節ならではの熱気や旬のフルーツなどを満喫することも可能です。ここでは、そのための「生存戦略」について、私の経験を余すところなくお話しします。

6月の服装:蒸し暑さMAX!熱中症対策と服装の工夫

6月は、梅雨と夏本番が重なることで、一年で最も蒸し暑く感じられるかもしれません。じっとりと肌にまとわりつく湿気は、外を少し歩くだけで思考力すら奪っていく感覚です。こまめな水分補給はもちろん、塩分補給も意識しないと、本当に危険なレベルの熱中症になりかねません。

【推奨コーデ例】6月の台湾、とにかく涼しく、速く乾く!
男性向けの服装例

ユニクロのエアリズムのような高機能インナーに、吸湿速乾性のTシャツを合わせるのが基本。ボトムスはショートパンツ以外は考えられません。汗拭き用のタオルやハンディファンは、もはや必須アイテムです。この時期の快適さは、衣類の機能性に大きく左右されると断言できます。

女性向けの服装例

肌に密着しない、風通しの良いワンピースやフレアスカートがおすすめです。素材はコットンよりも、リネンや化学繊維の方が汗をかいても快適さを保てます。冷却シートや制汗スプレーなどを活用して、積極的に体をクールダウンさせる工夫が、一日を元気に楽しむための鍵となります。

7月の服装:台風シーズン本番、速乾性のある服が活躍

7月になると、梅雨が明けて日差しはさらに凶暴性を増します。そして、台風シーズンもいよいよ本番。旅行の計画が、その日の朝の天気予報によって大きく左右される可能性も覚悟しておくべき時期です。

【推奨コーデ例】7月の台湾、日差しと突然の雨に備える!
男性向けの服装例

服装は6月とほぼ同じですが、「濡れてもすぐ乾く」という点をさらに重視します。一度濡れると重くなり乾きにくいジーンズは、この時期の台湾旅行では最悪の選択肢の一つ。化学繊維のショートパンツや、薄手のリネンパンツなどが最適解です。強い日差しを物理的に避けるため、帽子は必ず着用してください。

女性向けの服装例

日差し対策として、薄手のUVカット機能付きカーディガンやシャツを羽織るのがおすすめです。ノースリーブで肌を出すより、むしろ薄い長袖で覆った方が体力の消耗を防げます。突然の雨でびしょ濡れになることも想定し、着替えを一枚持ち歩くと安心感が違います。

8月の服装:台風のピーク、室内で楽しめる服装計画も

8月は、7月と並んで台風が最も多く台湾を通過する月です。この時期に旅行を計画するなら、「台風で丸一日ホテルから出られない」という事態も、プランBとして具体的に想定しておく必要があります。

【推奨コーデ例】8月の台湾、籠城戦も想定する!
男性・女性共通の服装例

服装の基本はこれまでと同じ、涼しさと速乾性が全てです。それに加え、万が一の「ホテル籠城」に備えて、リラックスできる部屋着(ジャージやスウェットのハーフパンツなど)と、館内を気軽に歩けるサンダルが一組あると、QOLが劇的に向上します。窮屈なジーンズで一日を過ごすのは、なかなかの苦行ですからね。

【達人の知恵】夏の台北・1日のモデルプラン(生存戦略)

夏の台湾旅行では、無理なスケジュールを組まないことが一番です。具体的に、私ならこんな風に一日を計画します。これは、厳しい夏の台湾を乗り切るための、私の長年の経験から導き出した答えです。

  • 午前 (8:00〜11:00):早朝の涼しい時間帯に屋外観光を!
    比較的涼しいこの時間帯に、龍山寺でお参りを済ませたり、中正紀念堂の広大さを体感したりと、屋外の主要観光地を攻めます。
  • 昼 (11:00〜15:00):灼熱の魔の時間帯は屋内へ避難!
    この時間帯の屋外活動は危険です。MRTで移動し、台北101や新光三越といった巨大なデパートへ避難。涼しいフードコートでランチを楽しんだ後、誠品書店で本を眺めたり、お洒落なカフェでゆっくり過ごすのが賢い選択です。
  • 午後 (15:00〜18:00):少し暑さが和らいだら、再び始動!
    西日が傾き始めたら、再び活動開始。おしゃれなショップが並ぶ中山エリアや、歴史的建造物をリノベーションした松山文創園区などを散策。歩き疲れたら、足つぼマッサージでリフレッシュするのも最高の贅沢です。
  • 夜 (18:00以降):いよいよ本番!夜市でグルメを堪能!
    日が落ちれば、昼間の灼熱が嘘のように歩きやすくなります。饒河街夜市や寧夏夜市など、活気あふれる夜市へ繰り出して、B級グルメを心ゆくまで堪能しましょう。

このように、活動時間帯にメリハリをつけること。これこそが、夏の台湾を最大限に楽しむための、最も重要な生存戦略なのです。


まとめ:台湾の気温と服装、これだけは押さえよう

まとめ:台湾の気温と服装、これだけは押さえよう

最後に、この記事の要点をリストにまとめました。台湾旅行の準備の際に、ぜひ再確認してみてください。

  • 台湾の服装の基本は「半袖+薄手の羽織もの」による重ね着
  • 旅行当日の服装は天気予報の「体感温度」をチェックする
  • 台湾は南北で気候が大きく異なり台北と高雄では冬は5度以上の差がある
  • 北部の台北は冬に雨が多く湿度が高いため体感温度は数字より低い
  • 南部の高雄や台南は一年を通して暖かく冬でも軽装で過ごせる日が多い
  • 台湾旅行のベストシーズンは気候が安定する秋の10月と11月
  • 6月から9月は台風シーズンなので天気予報の確認が必須
  • 日本の常識以上に湿度が高く夏は蒸し暑く冬は底冷えする
  • 紫外線は一年を通して強いので季節を問わず対策が必要不可欠
  • 荷物を減らすには圧縮袋の活用と着回しできる服選びが効果的
  • 9月はまだ夏服が基本だが台風への備えも忘れずに行う
  • 12月から2月の冬の台北ではライトダウンなどの本格的な防寒着が必要
  • 春の3月から5月は天候が不安定なので脱ぎ着しやすい服装を心がける
  • 5月からは本格的な梅雨入りとなり日本の夏のような蒸し暑さが始まる
  • 夏の6月から8月は吸湿速乾性の高い服装で熱中症対策を万全にする
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