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台湾ホテル予約のコツ!旅行のプロが教える失敗しない選び方

初めての台湾旅行、あるいは久しぶりの台湾旅行を計画中のあなた。「台湾のホテルって、どうやって選べばいいんだろう…」と悩んでいませんか?数えきれないほどのホテルがあって、どの予約サイトを使えばお得なのか、正直分かりにくいですよね。僕もこれまで何度も台湾を旅してきましたが、最初の頃はホテル選びで失敗したことも一度や二度ではありません。台湾でのホテル選び方で重要なのは、旅の目的をはっきりさせることです。そして、それぞれの目的に合った台湾のホテル予約サイトをおすすめ順に使い分けるのが、実は一番の近道なんです。もちろん、台湾のホテル相場や、なるべくならホテル代が安い時期に旅行したいという気持ちもよく分かります。特に海外旅行となると、日本語が通じるホテルの方が安心ですし、何よりホテルが安全かどうかは絶対に譲れないポイントでしょう。この記事では、僕がたくさんの経験と少しの失敗から学んだ、あなたにピッタリのホテルを見つけるための具体的なコツを、余すところなくお伝えしていきます。
記事のポイント
- あなたの旅のスタイルに合った最適なホテル予約サイト
- 旅の満足度が劇的に変わる台湾ホテルの具体的な選び方
- 目的や予算に合わせたプロ厳選のおすすめホテル
- 予約から滞在中までのあらゆる疑問を解決するQ&A
予約の前に!3分でわかる「あなたの旅のスタイル診断」

さて、ここからあなたにピッタリの台湾ホテルを見つけるための具体的なお話に入っていきますが、その前に一つだけ、非常に重要なことをお伝えさせてください。ホテル探しで多くの人が無意識に陥ってしまう、最大の失敗の原因。それは、「自分の旅の軸」を明確に決めないまま、膨大なホテル情報をいきなり見始めてしまうことなんです。
これは、言ってみればゴールのないマラソンを始めるようなもの。ただやみくもに走り続けても、疲弊するだけで満足のいく結果には辿り着きません。実際、台湾の交通部観光署が行った調査(※)によると、訪台旅行者の満足度は90%以上と非常に高い一方で、ごく少数ですが「宿泊施設」に関する改善要望も報告されています。この明暗を分けるのが、まさに「事前の戦略」の有無だと、私は考えています。
※編集部注:交通部観光署の「112年(西暦2023年)來臺旅客消費及動向調查報告」などを参考に、専門家の視点で解説しています。

まぁ、正直なところ、僕も若い頃はそうでした。「安くてキレイならどこでもいいや!」と値段だけで飛びついて、実際は駅から遠すぎて毎日のタクシー代がかさんだり、夜遊びしたいのに終電を気にする羽目になったり…。そんな経験を重ねたからこそ、断言できるんです。
最初に「今回の旅で、自分は何を一番大切にしたいのか?」という軸を決める。これこそが、無数の選択肢の中から、あなたにとっての「当たり」のホテルを最短で見つけ出すための、唯一にして最強のコンパスになります。
これは、旅行プランナーのような専門家が、お客様の旅をプランニングする際に行う最初のステップと全く同じです。まず「旅の目的」という揺るぎない根っこを明確にすることで、価格や口コミといった枝葉の情報に振り回されずに済むようになります。
そこで、まずは以下のチャートを見て、ご自身の気持ちに一番近いタイプを選んでみてください。この「タイプ」を意識するだけで、この記事の中で特にあなたが読むべきセクションが明確になり、効率的に答えに辿り着けますよ。
Aタイプ:【賢約(けんやく)トラベラー】
「LCCのセールで航空券は安く手に入れたし、ホテル代も賢く節約して、その分グルメやショッピング、エステにお金を使いたい!」という、コストパフォーマンスを何よりも重視するあなた。ただ安いだけでなく、「安くて、キレイで、駅近」というワガママを全部叶えることに喜びを感じるタイプですね。
→このタイプのあなたへ:後ほど解説する【鉄則2:予算】で紹介する「裏ワザ」や、予約サイトAgodaの「セール活用術」は必見です。この知識があるだけで、他の人より数千円は得する可能性が高いですよ。
Bタイプ:【絶対安心トラベラー】
「初めての海外旅行、もしくは幹事を任されたから、とにかく失敗はしたくない…」という、価格よりも「安心」と「確実性」を優先したいあなた。多くの人が「良い」と評価している、いわゆる「鉄板」を選ぶことで、心からリラックスして旅を楽しみたいタイプでしょう。
→このタイプのあなたへ:【鉄則1:エリア】で解説する初心者が泊まるべき「鉄板エリア」とその理由をじっくり読み、【鉄則3:安全性】で紹介する「失敗しないためのチェックリスト」を実践すれば、トラブルに遭う確率は限りなくゼロに近づきます。
Cタイプ:【上質ステイトラベラー】
「せっかくの記念旅行だから、価格にこだわらず、心から満足できる快適な空間で過ごしたい」という、滞在の「質」を最も大切にするあなた。日本の高級旅館に泊まるような感覚で、広さや清潔さ、静かさ、そして質の高いサービスを求めているのではないでしょうか。
→このタイプのあなたへ:【鉄則3:安全性】で触れる「”窓なし部屋”の見抜き方」や、日系ホテル・温泉宿探しならここ!特化型予約サイトの「日系ホテル」のメリット・デメリット解説が、あなたのホテル選びの強力な判断基準となるはずです。
さあ、ご自身のタイプはなんとなくイメージできましたか?
この記事は、あなたのような方の悩みを解決するために作られた『パーソナル・コンサルティング型ガイド』です。ご自身のタイプを覚えて、ぜひこのまま読み進めてみてください。情報収集の迷路から脱出し、最高のホテルを見つけるお手伝いをさせていただきます。
まずはここから!台湾ホテル予約サイトの賢い使い分け術


ホテル予約サイトと一言で言っても、実はそれぞれに得意なことと不得意なことがあります。僕も昔は一つのサイトだけで探していましたが、今では旅の目的に合わせて2〜3つのサイトを使い分けるのが当たり前になりました。ここでは、主要なサイトの特徴と、どんな人におすすめなのかを解説しますね。
このセクションのポイント
【目的別】主要おすすめ予約サイト


さて、ここからは台湾のホテル探しに欠かせない「武器」となる、主要な予約サイトについて解説していきます。いきなりですが、あなたに一つ、重要な真実をお伝えしなければなりません。それは、「いつ、どんな条件でも、絶対に一番安いサイト」という魔法の答えは存在しない、ということです。
これを言うとガッカリさせてしまうかもしれませんが、安心してください。代わりに、もっと価値のある情報を提供します。それは、「あなたの旅のタイプによって、最も安くなる可能性が高いサイト」と「そのサイトの能力を120%引き出すための戦略的な使い方」は、明確に存在するということです。



これは株式投資で、どの証券会社が一番儲かるか、と聞くのに少し似ています。答えは「ない」ですよね。重要なのは、自分の投資スタイル(短期売買なのか長期保有なのか)を理解し、それに合った手数料やツールを提供してくれる証券会社を選ぶことです。
ホテル予約も全く同じ。まずは、あなたがどのサイトを「メイン武器」として使いこなすべきか、ここで見極めていきましょう。
【結論】主要3サイトの使い分け戦略まとめ
サイト名 | こんなあなたに最適! | 必勝戦略 | 注意点 |
---|---|---|---|
Agoda | 賢約トラベラー (価格・コスパ最優先) | ゲリラ的なセールやクーポンを狙い撃ちする | 表示価格が税抜のことがある |
Booking.com | 絶対安心トラベラー (失敗したくない初心者) | 膨大な口コミを分析し、地雷ホテルを徹底的に回避する | 最安値が出にくい場合がある |
Expedia | ワンストップ派 (航空券も未手配) | 航空券とホテルをセットで予約し、セット割引を最大化する | ホテル単体の予約では強みが薄い |
Agoda:セールが多くアジア圏に強い
「LCCで航空券は安く手に入れた。ホテルも誰より賢く、お得に予約したい!」そんなあなたのような「賢約トラベラー」が真っ先にチェックすべきサイト、それがAgodaです。なぜなら、Agodaの強みは、他のサイトが追随できないほどの割引セールの頻度と、ゲリラ的に発行されるクーポンの破壊力にあるからです。
特に「アゴダスペシャルオファー」や、会員限定で表示される「シークレットディール」は、同じホテルの同じ部屋が、他のサイトより数千円安くなっていることもしばしば。僕の経験上、平日の夜などに何気なくチェックすると、驚くような価格が出ていることがあります。言ってしまえば、常に宝探しの感覚でサイトを覗くのが、Agodaを使いこなす一番のコツかもしれません。
ポイ活好きのあなたへ:Agodaコインの賢い使い方
Agodaで予約すると「Agodaコイン」というポイントが貯まりますが、これには一つ注意点が。有効期限が比較的短く(付与から数ヶ月〜年末まで等)、失効しやすいのです。ですから、次回の旅行のために貯めるというよりは、「今回の旅行で獲得したコインは、今回の旅行の別の予約で使い切る」くらいの気持ちでいるのが最も賢い使い方と言えるでしょう。
Agodaの注意点
前述の通り、Agodaで表示される料金は、初期設定だと税金・サービス料が含まれていない場合があります。安い!と思っても、最終的な支払い画面で料金が少し上がることもあるので、予約を進める際には「税・サービス料込み」の表示になっているかを必ず確認するようにしてください。
Booking.com:世界最大手で口コミが豊富
「初めての海外で、とにかく失敗したくない…」そんな「絶対安心トラベラー」のあなたにとって、Booking.comは最も信頼できる相棒になります。世界最大手であるこのサイトの最大の価値は、何と言っても他の追随を許さない圧倒的な数の「口コミ」です。
ただ口コミが多いだけではありません。Booking.comの真価は、その口コミを分析することで、「写真と実物が違う」といった地雷ホテルを9割以上の確率で回避できる点にあります。具体的には、口コミの絞り込み機能で「評価が低い順」に並び替え、「清潔さ」と「スタッフの対応」に関するネガティブなコメントがないかを確認するのです。これをやるだけで、あなたの旅の安心感は劇的に高まります。
Genius会員のメリット
Booking.comを数回利用すると「Genius」という会員レベルが上がっていきます。このプログラムが秀逸なのは、レベルに応じて10〜20%の割引だけでなく、「朝食無料」や「無料ルームアップグレード」といった、旅の質を直接向上させる特典が自動的に付与される点です。「安さ」よりも「安心」や「快適さ」を求める旅では、この特典が大きな価値を発揮します。
Expedia:航空券とのセット割がお得
もしあなたが「まだ航空券も予約していない」という段階であれば、Expediaは非常に強力な選択肢となります。このサイトの最大の武器は「AIR+割(エアプラスわり)」、つまり航空券とホテルの同時予約による圧倒的な割引率です。
私の場合、過去にこのセット割を利用して、ホテル単体で予約するよりも宿泊費が40%近く安くなった経験があります。特に、LCCではないフルサービスキャリアの航空券と、ある程度のランクのホテルを組み合わせる場合に、割引の威力を最大限に発揮する感じがしますね。
逆に言えば、すでに航空券を手配済みの「賢約トラベラー」のあなたにとっては、Expediaを単体で使うメリットはAgodaなどに比べて薄いかもしれません。あくまで「これから全部まとめて手配したい」という方向けの、強力な選択肢だと考えておくと良いでしょう。
日系ホテル・温泉宿探しならここ!特化型予約サイト


さて、前項では海外の主要予約サイトの戦略的な使い方を解説しました。これらのサイトは非常にパワフルで、ほとんどのケースではあなたの強力な武器となるでしょう。しかし、そんな彼らにも明確な「死角」が存在することをご存知でしょうか。
特に、「記念旅行だから、絶対に失敗したくない」「海外のホテルは、写真と違って水回りが心配…」と感じているあなたのような方には、ぜひ知っておいてほしい視点です。言ってしまえば、海外サイトが提供する「グローバル基準の快適さ」と、私たちが日本のホテルや旅館で当たり前に享受してきた「おもてなし基準の快適さ」には、残念ながらまだ少しギャップがあるのです。このギャップを埋めてくれるのが、これから紹介する特化型の予約サイトです。



私であれば、例えば自分の両親を台湾旅行に招待するような、絶対に失敗が許されない場面では、迷わずこれからお話しする日系の予約サイトを優先的にチェックします。なぜなら、そこには価格以上の「安心」があるからです。
ケース1:「絶対的な安心感」を求める日系ホテル探し
「やはり日本クオリティのサービスが一番安心できる」と感じるなら、楽天トラベルやJTBといった日系の予約サイトがその期待に応えてくれます。これらのサイトは、単に日本語対応しているというレベルではありません。海外サイトとは異なる明確なメリットと、知っておくべきデメリットがあります。
日系予約サイトのメリット・デメリット
項目 | メリット(海外サイトとの比較) | デメリット(海外サイトとの比較) |
---|---|---|
安心感 | 「オークラ」や「ホテルグレイスリー」など、日本基準のサービスが約束されたホテルが厳選されている。問い合わせやリクエストも全て日本語で完結する。 | 最新のローカルなデザイナーズホテルなどは掲載が遅れがち。 |
価格 | 独自のセールや限定プランが用意されていることがある。 | Agodaのようなダイナミックな価格競争が起きにくく、全体的に価格は高めに安定している傾向がある。 |
情報量 | 日本人の視点に立った、きめ細やかな情報(例:バスタブの深さ、ウォシュレットの有無など)が充実している。 | 掲載ホテル数自体が少ないため、選択肢は限られる。 |
このように考えると、日系サイトは「安さ」を追求するのではなく、「安心」という価値をお金で買うための最適な選択肢だと言えるでしょう。
ケース2:「日本の旅情」を求める温泉宿探し
台湾が日本と並ぶ温泉天国であることをご存知ですか?台北近郊の北投(ベイトウ)、陽明山(ヤンミンシャン)や、少し足を延せば宜蘭(イーラン)の礁渓(ジャオシー)など、魅力的な温泉地が点在します。このような温泉宿を探す際にこそ、特化型サイトの真価が発揮されます。
なぜならば、海外サイトと日本のサイトでは、情報の「粒度」が全く違うからです。
【要注意】海外サイトと日本サイトの情報粒度の違い(例)
- 海外サイト:「Hot Spring Bath (温泉)」
- 日本のサイト:「大浴場あり(男女別・清掃時間23:00-24:00)」「源泉かけ流しの貸切露天風呂(50分/有料/要予約)」
いかがでしょうか。海外サイトの表記だけでは、「部屋のお風呂が温泉なだけ」なのか「大浴場があるのか」すら分かりません。この情報粒度の差が、旅の満足度を大きく左右するのです。
「大浴場で手足を伸ばしたい」「夫婦水入らずで貸切風呂を楽しみたい」といった、日本の温泉旅行で抱くような具体的な願望があるのなら、海外サイトの情報だけを鵜呑みにするのは非常に危険です。日系の予約サイトで、しっかりと詳細情報を確認することをおすすめします。
【結論】特化型サイトは、こんなあなたにおすすめ
- 価格よりも、日本水準の「安心」と「快適性」を最優先したい方
- ご両親や、海外旅行に不慣れな方を台湾旅行に招待する方
- 台湾の温泉地で、日本の温泉旅館のような滞在体験を求めている方
もう迷わない!旅の満足度が決まる台湾ホテルの選び方【3つの鉄則】


さて、使うべき予約サイトが分かったところで、次はいよいよ具体的なホテルの選び方です。無数のホテルの中から「ここだ!」という一軒を見つけ出すには、いくつか押さえておくべき鉄則があります。僕がいつも意識している3つのポイントを、順を追って解説していきますね。
このセクションのポイント
鉄則1:【エリア】旅行の目的から逆引き!主要4都市おすすめ滞在エリア


さて、ここからがホテル選びの最重要パートです。私がこれまで数え切れないほど台湾を旅してきて、そして数々の失敗から学んだ揺るぎない結論。それは、「どんなに評価の高いホテルも、エリア選びを間違えれば、その価値は半減する」ということです。
想像してみてください。おしゃれで快適なホテルを予約したのに、行きたかったカフェやお店に行くには毎日30分以上も電車に乗らなければならないとしたら?移動だけで時間もお金も体力も消耗し、せっかくの旅行が台無しですよね。これを避けるための唯一の方法が、自分の「旅の目的」と、街の「エリア特性」を完全に一致させることなのです。
専門家の視点:なぜエリア選びが最重要なのか
これは都市計画の専門家がよく口にすることですが、どんな街にもそれぞれ機能や性格の異なる「重心」が存在します。「交通の重心」「商業の重心」「文化の重心」などです。ホテル選びとは、言ってみれば自分の旅の目的に最も近い「重心」に拠点を構える戦略に他なりません。この戦略的視点を持つだけで、あなたの旅の効率と満足度は劇的に向上します。
【台北】目的別おすすめエリア(台北駅・中山・西門町・東区)
台湾旅行の玄関口であり、ほとんどの人が最初に訪れる大都市・台北。この街は、エリアごとに全く違う顔を持っており、まるで別々の街が集まってできているかのようです。あなたの旅の羅針盤が指し示すのは、どのエリアでしょうか。
エリア名 | 一言でいうと、こんな街 | あなたのこんな目的に最適! |
---|---|---|
台北駅周辺 | 台湾全土を繋ぐ交通の心臓部 | 初めての台湾で、とにかく効率よく色々な場所を巡りたい「絶対安心トラベラー」 |
中山(ヂョンシャン) | 路地裏にセンスが光る宝探しエリア | おしゃれなカフェや雑貨店を巡りたい「賢約トラベラー」(特に女性) |
西門町(シーメンディン) | 眠らない若者文化の発信基地 | 夜遅くまでグルメやショッピングを楽しみたいアクティブな学生や若者 |
東区(ドンチュー) | 洗練された大人が集うトレンド最前線 | 落ち着いた雰囲気で、上質な食事や買い物を楽しみたい「上質ステイトラベラー」 |



この表はあくまでも入口です。大切なのは、「なぜ」そのエリアがあなたの目的に合うのかを深く理解すること。ここから、各エリアの本当の姿を、もっと解像度を上げて解説していきますね。
■台北駅周辺:最強の交通利便性で「失敗」をなくす鉄板エリア
初めての台湾旅行で、「どこに泊まればいいか全く分からない…」と不安なあなたには、迷わずこの台北駅周辺をおすすめします。なぜなら、ここはMRT(地下鉄)の主要路線である板南線(青)と淡水信義線(赤)が交差し、台湾の新幹線(高鐵)や在来線(台鐵)、桃園空港へのリムジンバスや各地方への長距離バスのターミナルも全て直結している「台湾の交通の心臓部」だからです。ここを拠点にすれば、極端な話、何も考えずに電車に乗るだけで、台北中のあらゆる観光名所に行けてしまいます。この「思考停止で動ける」という圧倒的な安心感こそ、初心者の方にとって何物にも代えがたい価値なのです。
■中山(ヂョンシャン):カフェ好きなら「赤峰街」を目指せ!
「せっかくの旅行だから、おしゃれなカフェでのんびりしたい」そう考えるあなたに、中山エリアが最適なのはなぜか。その答えは、メインストリートの南京西路から一本入った「赤峰街」というエリアにあります。かつて自動車部品の町工場が並んでいたこの界隈は、近年、古い建物をリノベーションした個人経営のカフェ、セレクトショップ、雑貨店が密集する、まるで東京の下北沢や蔵前のようなエリアに変貌しました。チェーン店ではない、オーナーのこだわりが詰まったお店を、宝探しのように巡る。この体験こそが、中山エリアの最大の魅力です。
■西門町(シーメンディン):深夜まで続く熱気とB級グルメの聖地
なぜ西門町は「台湾の原宿」と呼ばれ、これほどまでに若者で賑わうのでしょうか。それは、このエリアが日本統治時代に台湾で初めての商業エリアとして開発され、映画館や劇場が集まるエンターテイメントの中心地だったという歴史的背景があるからです。そのDNAは今も健在で、最新のファッションビルから、安くて美味しいB級グルメの屋台、タピオカドリンクの激戦区まで、若者の「好き」が全て詰まっています。23時を過ぎてもネオンが輝き、人々で賑わうこの熱気は、他のエリアでは決して味わえません。
■東区(ドンチュー):落ち着いた大人のための、洗練された街並み
一方で、「人混みは苦手。落ち着いた雰囲気で過ごしたい」と考えるあなたには、東区が最適です。忠孝復興駅や忠孝敦化駅を中心とするこのエリアは、計画的に開発された美しい街並みが特徴。道幅が広く、歩道も綺麗に整備されているため、ベビーカーを押しながらでもストレスなく散策できます。高級デパート「SOGO」や洗練されたレストランが並び、行き交う人々のファッションもどこか上品。記念日旅行など、少し特別な滞在を求める方には、このエリアの上質な空気が心地よく感じられるはずです。
【台中】目的別おすすめ滞在エリア
アートと美食の街・台中。この街を旅する上で知っておくべきことは、人気観光地が市内に「点」として散らばっているため、拠点選びを間違えると移動費と時間で大きく損をする可能性があるということです。あなたの目的はどちらに近いですか?
- 台中駅周辺:「宮原眼科」に代表されるリノベーション建築や、ローカルな第二市場での食べ歩きが目的なら、断然こちらです。古い建物の情緒と新しいアートが融合した、台中の歴史を感じられるエリア。高鐵の台中駅とは少し離れているので注意が必要ですが、市バスの拠点なので郊外へのアクセスも良好です。
- 草悟道・勤美誠品緑園道エリア: 国立自然科学博物館や国立台湾美術館といった巨大な文化施設が点在し、それらを繋ぐ広大な緑地が「草悟道」です。周辺にはおしゃれなカフェやセレクトショップが並び、週末には多くの市民が憩う、いわば「台中の代々木公園」のようなエリア。のんびりと散策しながら、アートやショッピングを楽しみたい方におすすめです。
【台南】目的別おすすめ滞在エリア
「台湾の京都」とも呼ばれる美食の古都・台南。この街の最大の魅力である「小吃(シャオチー)」と呼ばれるローカルフードを制覇したいなら、エリア選びは非常にシンプルです。
- 中西区(赤崁樓・神農街周辺): なぜ初心者はこのエリアに泊まるべきなのか。それは、台南の有名な小吃の店のほとんどが、このエリアの半径1km以内に密集しているからです。つまり、ここを拠点にすれば、あなたの「食い倒れの旅」は、ほぼ徒歩で完結します。これ以上の好条件はありません。
- 安平区: 中心部から少し離れた、かつての港町。古い城跡やノスタルジックな街並みが魅力で、美しい夕日が見られることでも有名です。台南リピーターで、中心部の喧騒から離れてゆっくり過ごしたい、という方には良い選択肢となるでしょう。
【高雄】目的別おすすめ滞在エリア
港町の開放的な雰囲気が心地よい南国・高雄。MRTが発達しており移動は比較的容易ですが、やはり目的別に拠点を定めるのが賢い選択です。
- 美麗島駅・高雄駅周辺: 世界で最も美しい駅の一つに選ばれた「美麗島駅」を中心とするこのエリアは、交通のハブ。高雄最大の「六合夜市」だけでなく、地元民に人気のもう一つの巨大夜市「瑞豊夜市」へもMRTで一本です。「二大夜市を制覇したい」という明確な目的なら、ここが最高の拠点となります。
- 鹽埕区・駁二芸術特区周辺: 港の古い倉庫街をリノベーションした「駁二芸術特区」は、今や高雄を代表するアートスポット。このエリアに泊まる魅力は、巨大なパブリックアートが点在する非日常的な空間を、朝夕の静かな時間に散策できることです。アートやデザインに深い関心がある方にとっては、この上ない贅沢な体験となるでしょう。
鉄則2:【予算】旅のスタイル別・宿泊料金の相場と安い時期


さて、素晴らしい旅の拠点となる「エリア」が決まったら、次に向き合うのは最も現実的なテーマ、「予算」です。いくら素敵なエリアでも、予算が合わなければ絵に描いた餅ですからね。ここではまず、台湾ホテルにかかる費用の基本的な考え方、いわば「守りの予算術」からお話しします。そして、その後にいよいよ、知っている人だけが得をする「攻めの予算術」、つまり宿泊費をさらに数千円単位で安くする裏ワザを、あなたにだけこっそり伝授します。



「LCCのセールで航空券を安く手に入れたから、ホテルも徹底的にこだわって、トータルの旅行満足度を最大化したい!」
あなたがもしそう考えているなら、このセクションは必見です。予算を制する者は、旅行を制しますからね。一緒に「勝利の方程式」を組み立てていきましょう。
守りの予算術:基本の相場と狙い目の時期を知る
何はともあれ、まずは敵を知ることから。台湾のホテル料金の全体像を掴んでおきましょう。もちろん、これはあくまで目安ですが、この相場感が頭に入っているだけで、目の前のホテルが「お値打ち」なのか「割高」なのかを判断するモノサシになります。
【台北市内】ホテル料金の目安(1泊1部屋あたり)
- ドミトリー・ホステル: 3,000円~5,000円
- 格安ホテル(バジェットホテル): 6,000円~12,000円
- 中級ホテル(デザインホテルなど): 12,000円~25,000円
- 高級ホテル(5つ星クラス): 25,000円~
※あくまで平日の参考価格です。週末や祝日は1.2倍~1.5倍程度になることもあります。
個人的な感覚ですが、「賢約トラベラー」のあなたなら、台北中心部で清潔感と立地を両立させるラインとして、1泊12,000円前後を一つの基準とし、この後紹介する「攻めの予算術」を駆使して1万円切りを目指す、というのが現実的で面白い目標設定かもしれません。
そして、この目標を達成するために極めて重要なのが、旅行の時期です。ホテル料金が大きく変動する「安い時期」を狙うのは、予算術の基本中の基本。以下の時期は航空券も安くなる傾向にあるため、最強のコンボと言えるでしょう。
- 大型連休明け(1月中旬~2月上旬、5月中旬~6月): 年末年始やゴールデンウィークの繁忙期が終わり、需要が落ち着くタイミングです。
- 夏休み明けの平日(9月~10月): 猛暑が和らぎ、気候的にも過ごしやすい最高のシーズンでありながら、料金は比較的安めに推移します。
- 【最重要】旧正月(春節)期間は絶対に避ける: 毎年1月下旬から2月中旬頃の旧正月は、台湾全土で料金が2倍以上に高騰します。この時期は絶対に避けましょう。
攻めの予算術:知っている人だけが得をする3つの裏ワザ
基本を押さえたところで、ここからが本題です。同じホテルに泊まるなら、他の誰よりもお得に予約したい。そんなあなたのための、一歩踏み込んだテクニックをご紹介します。
裏ワザ1:ポイントサイトを経由して「ポイントの二重取り」を実現する
「ポイ活」好きのあなたなら、もう実践しているかもしれませんが、これは海外ホテル予約でも非常に有効な手段です。やり方は簡単。
- ハピタスやモッピーといったポイントサイトに登録する
- サイト内のリンクからAgodaやBooking.comなどの予約サイトへアクセスする
- あとは通常通りホテルを予約する
たったこれだけで、予約サイト独自のポイントとは別に、宿泊料金の1%~最大5%程度のポイントが、ポイントサイト側にも付与されるのです。3泊で合計30,000円のホテルなら、それだけで300円~1,500円分のポイントが戻ってくる計算。やらない手はないですよね。
裏ワザ2:海外予約サイトの「限定クーポン」を嗅ぎつける
日本の旅行サイトと違い、海外の予約サイトはかなり頻繁に割引クーポンを配布します。ただ、公式サイトのトップページに分かりやすく表示されているとは限りません。クーポンを嗅ぎつけるには、ちょっとしたコツが必要です。
- 基本の「検索」:シンプルですが、「Agoda クーポン」や「Booking.com プロモコード」といったキーワードでGoogle検索してみるのが一番の近道。キャンペーンページが見つかることがあります。
- メルマガ登録:少し面倒に感じるかもしれませんが、予約サイトのメルマガには、会員限定のクーポンコードが送られてくることがよくあります。旅行が終われば配信停止すれば良いだけです。
- アプリを狙う:特にAgodaは、直前になると「アプリ限定クーポン」を発行することがあります。Webで目星をつけたホテルを、最後にアプリで検索し直す、という一手間が数%の割引を生むことがあります。
裏ワザ3:「最低価格保証」の現実的な活用法
多くの予約サイトが「他のサイトでうちより安い料金を見つけたら、差額を返金します」という「最低価格保証」を謳っています。これを使えば最強では?と思うかもしれませんが、まぁ、正直なところ、これは少し注意が必要です。
なぜなら、申請には「全く同じホテル、同じ部屋のタイプ、同じ宿泊日、同じキャンセル条件」など、非常に厳しい条件が課せられ、手続きも煩雑なことが多いからです。ファイナンシャルプランナー的な視点で言えば、申請にかける時間と労力を時給換算すると、必ずしも「お得」とは言えないケースも少なくありません。
ただ、「徹底的に比較検討して、最安値を見つけ出すこと自体が楽しい!」という、ゲームのような感覚を持てるあなたのような方にとっては、挑戦してみる価値はあるかもしれません。もし同じ条件でより安い料金を見つけたら、「ダメ元で申請してみるか」くらいの軽い気持ちで臨むのが、精神衛生上おすすめです。
鉄則3:【安全性】安心して泊まれるホテルを見抜く3つのポイント


特に海外では、ホテルの安全性は何よりも優先したいところ。価格や立地も大切ですが、安心して眠れる場所を確保するためのチェックポイントを3つ紹介します。
予約サイトの口コミ評価の正しい見方
前述の通り、Booking.comなどに寄せられる口コミは宝の山です。ただ、やみくもに読むのではなく、コツがあります。
- 総合評価だけでなく、項目別の評価を見る: 「清潔さ」「スタッフ」「立地」など、項目別のスコアを確認しましょう。あなたが何を重視するかによって、見るべき項目は変わってきます。
- 悪い口コミこそしっかり読む: 良い口コミは参考程度に、むしろ「何がダメだったのか」が具体的に書かれている悪い口コミを注意深く読みます。「うるさかった」「掃除が行き届いていない」「写真と違った」など、具体的な指摘は非常に参考になります。
- 最新の口コミを参考にする: ホテルの状況は常に変化します。数年前の情報よりも、直近数ヶ月以内の口コミを重視するようにしてください。
ホテルの公式サイトで確認すべき項目
気になるホテルが見つかったら、予約サイトだけでなく、そのホテルの公式サイトも一度は訪れてみることをおすすめします。公式サイトでしか分からない情報が載っていることもあります。
- 写真の雰囲気: 予約サイトよりも多くの写真が掲載されていることが多いです。客室だけでなく、ロビーや共用スペースの雰囲気も確認しましょう。
- 設備やアメニティの詳細: 予約サイトでは省略されがちな、細かい設備情報が記載されています。
- ホテルのコンセプト: どんな想いで運営されているホテルなのかを知ると、より愛着が湧くかもしれません。
一手間かかりますが、この確認作業が、到着してからの「こんなはずじゃなかった…」というガッカリ感を防いでくれます。
【最重要】台湾のトコジラミ最新事情とホテルでのチェック方法



まぁ、正直なところ、最近はこの話題が一番気になるという方も多いのではないでしょうか。僕も旅行者として、この問題には非常に気を遣っています。
世界的に旅行者が増える中で、トコジラミ(南京虫)の問題が各地で報告されています。台湾で特に大流行しているという公式な発表は現時点(2025年8月時点)で確認されていませんが、旅行者が行き交う以上、どこの国、どのホテルでもリスクはゼロではないと考えるべきです。これは脅かすわけではなく、正しい知識を持って冷静に対処するための心構えだと思ってください。
ホテルに着いたらまず実践!トコジラミセルフチェック
被害を未然に防ぐために、部屋に入ったら荷物を広げる前に、まず以下の場所をチェックする習慣をつけましょう。スマートフォンのライトを使うと見やすいですよ。
- ベッド周りを集中チェック:
- マットレスの縫い目、角、タグの裏側
- ベッドフレームの隙間や継ぎ目
- ヘッドボードの裏や壁との隙間
- 家具の隙間も確認:
- ソファや椅子のクッションの下、縫い目
- カーテンの折り返し部分
- 壁にかけられた絵画の裏側
- 荷物の置き場所:
- チェックが終わるまで、荷物は床やベッドに直接置かず、バスルーム(水回りには比較的少ないとされています)や荷物台の上に置く。
- 念のため、スーツケースは常に閉めておく。
探すのは、成虫(5〜8mm程度の茶色い虫)や、血糞(けっぷん)と呼ばれる黒いシミのような痕跡です。もし痕跡を見つけてしまったら、すぐにフロントに連絡して部屋を変えてもらいましょう。
過度に心配する必要はありませんが、「部屋に入ったらまずチェックする」という一手間が、あなた自身と、次にその部屋を使う人のためにもなります。これも、旅人のマナーの一つだと僕は考えています。
【目的・スタイル別】プロが厳選!台湾のおすすめホテル15選


ここまでの選び方を踏まえて、僕が実際に泊まったり、友人におすすめしたりして評判が良かったホテルを、目的別にいくつかご紹介します。あくまで一例として、あなたのホテル選びの参考にしてみてください。(※紹介するホテルは特定の宿泊を推奨するものではなく、選定の一例です)
このセクションのポイント
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コスパで選ぶ!1泊1万円以下の格安&おしゃれホテル


「LCCで航空券を安く手に入れたから、ホテル代も賢く抑えたい。でも、せっかくの旅行で汚いホテルや不便なホテルは絶対に嫌!」…その気持ち、痛いほどよく分かります。安かろう悪かろう、では旅の満足度は決して上がりませんからね。
私がここで言う「コストパフォーマンスが良いホテル」とは、単に安いだけのホテルのことではありません。以下の3つの基準を、高いレベルでクリアしている「当たり」のホテルのことを指します。この基準を知るだけでも、あなたのホテル選びの精度は格段に向上するはずです。
プロが実践する「高コスパホテル」3つの選定基準
- 価格以上の清潔感とデザイン性:「泊まるだけ」ではなく、気分が上がるような空間であること。特に水回りの清潔さは妥協しません。
- 主要駅から徒歩5分圏内の利便性:移動時間を徹底的に削減し、その分観光や食事に時間を使えること。
- 口コミスコア8.0以上という客観的事実:多くの宿泊者が「満足した」と評価している、信頼性の高いホテルであること。



これから紹介するのは、この厳しい基準をクリアした上で、私が実際に泊まったり、友人におすすめして心から喜ばれたホテルだけを厳選したリストです。あなたのホテル探しの手間を大幅にショートカットする、いわば「僕なりの答え」だと思ってください。
シティインホテルプラス 台北駅前館 (CityInn Hotel Plus Taipei Station Branch)
「とにかく立地!」「でも清潔感は譲れない!」という、賢約トラベラーのあなたのワガママな願いを、完璧に叶えてくれるのがこのホテルです。最大の強みは、台北駅の地下街出口(Z8)から徒歩わずか1分という、もはや「駅直結」と言っても過言ではない圧倒的な立地。雨の日でも、ほとんど濡れずにホテルに辿り着けます。
部屋自体はコンパクトですが、それを補って余りある機能性とデザイン性が魅力。白を基調としたポップな内装は、きっとあなたのInstagramのフィードを素敵に彩ってくれるはずです。さらに、宿泊者が無料で利用できるドリンクバーやスナック、洗濯機・乾燥機が使えるランドリールームも完備。短期滞在はもちろん、少し長めの滞在でも全く不自由しません。まさに「賢い旅行者のための基地」と呼ぶにふさわしいホテルです。
こんな人には向かないかも?
客室は機能的に作られている分、スーツケースを広げるスペースは限られます。荷物が非常に多い方や、部屋でゆったりと過ごす時間を重視する方には、少し手狭に感じられるかもしれません。
ジャストスリープ 台北西門館 (Just Sleep Taipei Ximending)
このホテルの本質を理解するには、その背景を知る必要があります。実はこの「ジャストスリープ」、台湾を代表する高級ホテルグループ「リージェント(晶華酒店)」が手掛けるデザインホテルブランドなのです。
つまり、あなたがここで得られるのは、格安ホテルの価格帯でありながら、5つ星ホテルのノウハウが注ぎ込まれた最高品質のベッドや寝具で眠れる、という他では得難い体験です。旅の疲れを癒す睡眠の質にこだわるなら、これ以上の選択肢はありません。立地も西門町の中心、MRT西門駅4番出口から徒歩2分と申し分なく、夜遅くまで遊びたいアクティブなあなたをしっかりサポートしてくれます。
こんな人には向かないかも?
前述の通り、立地が西門町のど真ん中であるため、夜間でも外の賑やかな声が聞こえてくることがあります。非常に静かな環境を最優先する方には、少し騒がしく感じられる可能性があります。
ウィーカム ホステル (We Come Hostel) – 台中
「台中でもコスパを追求したい!」という声にお応えして、一つだけホステルをご紹介させてください。ただ、ホステルと聞いて敬遠するのは早計です。ここは「個室」のクオリティが非常に高く、一般的なビジネスホテルと遜色ないプライベート空間が確保されています。
このホステルの最大の魅力は、宿泊者以外も利用できるカフェのような、広々としてデザイン性の高い共用スペース。ここで現地の若者や世界中からの旅人と自然な交流が生まれることもあり、ホテル泊では得られないような、旅の新しい発見があるかもしれません。立地も台中駅から徒歩約5分。宮原眼科などの主要観光スポットも徒歩圏内です。「安さ」と「新たな出会い」、両方を求める欲張りなあなたにこそ、試してみてほしい選択肢です。
こんな人には向かないかも?
いくら個室が快適でも、バス・トイレは共用です(一部個室は専用バスルーム付きのタイプもあり)。プライベートな水回りを絶対に確保したい、という方には向きません。予約時に部屋のタイプをしっかり確認することが重要です。
女子旅・一人旅に!デザイン性と安全性が高いホテル


男性の僕が言うのも少し気恥ずかしいのですが、これまでの旅で多くの女性の友人たちの話を聞いてきて、確信していることがあります。それは、女性にとってのホテル選びは、単なる宿泊施設の選択ではなく、旅全体の体験の質を左右する「安全基地」であり、明日への活力を充電する「パワースポット」選びなのだろう、ということです。
だからこそ、立地や価格といった基本条件はもちろんのこと、心から「ここに泊まってよかった!」と思えるような、特別な価値を持つホテルを選びたいですよね。ここでは、そんなあなたの願いを叶えるため、私がプロの視点で「これは間違いない」と太鼓判を押せるホテルを、以下の3つの厳しい基準で厳選しました。
女子旅・一人旅のホテル選び 3つの絶対基準
- 心躍るデザイン性:足を踏み入れた瞬間に非日常を感じられる、フォトジェニックな空間であること。
- 徹底された安全性:夜間に一人で帰っても不安を感じない立地と、信頼できるセキュリティ設備が整っていること。
- あると嬉しいプラスαの気配り:質の高いアメニティや、女性のニーズを理解したきめ細やかなサービスがあること。
キンプトン大安ホテル 台北 (Kimpton Da An Hotel)
「せっかくの旅行だから、自分へのご褒美として、少し背伸びしたお洒落なホテルに泊まりたい」。そんなあなたに、私が真っ先におすすめするのがここ、キンプトン大安ホテルです。台北のトレンド発信地・東区にありながら、大通りから一本入った落ち着いた路地に佇むこのホテルは、まさに大人のための隠れ家です。
特筆すべきは、NYのソーホー地区にあるブティックホテルのような、モダンで洗練されたインテリアデザイン。美しいアートが飾られたロビーに足を踏み入れた瞬間から、あなたの旅は非日常のステージへと引き上げられます。夕方には宿泊者が無料で参加できるワインアワーが開催され、他の感度の高い宿泊者と交流できるのも、このホテルならではの体験でしょう。さらに、全室にヨガマットが完備されているなど、心身のウェルネスを重視するサービスは、日々の疲れを癒したいあなたに完璧にフィットするはずです。
こんな旅におすすめ
自分へのご褒美をテーマにした一人旅や、ファッションやアートが好きな友人との二人旅に。ショッピングを楽しみつつ、夜はホテルで上質な時間を過ごしたい方に最適です。
ホテル グレイスリー台北 (Hotel Gracery Taipei)
「デザイン性も大事だけど、何よりも日本のホテルのような安心感が欲しい」。特に海外旅行が初めて、というあなたには、日本の藤田観光が運営するこのホテルが、最高の「安全基地」となってくれます。ここは、華美な装飾よりも、機能美と寸分の狂いもない清潔感を重視した、実直で誠実な空間です。
このホテルの最大の価値は、多くの台湾のホテルでは実現できていない「トイレとバスルームが完全に独立したセパレートタイプの水回り」を、ほぼ全ての客室で採用している点にあります。友人との旅行でも、お風呂の時間を気兼ねなく楽しめるこの仕様は、想像以上に快適です。もちろん、フロントでは流暢な日本語が通じ、困ったことがあれば日本と全く同じ感覚で相談できるという絶対的な安心感は、何物にも代えがたい魅力と言えるでしょう。
こんな旅におすすめ
初めての台湾旅行で不安な方や、ご両親を連れての旅行(親孝行旅)に。慣れない海外でも、日本と同じストレスフリーな滞在を約束してくれます。
U.I.J ホテル & ホステル (U.I.J Hotel & Hostel) – 台南
もしあなたの旅の目的が、単なる観光ではなく「新しい発見」や「知的好奇心を満たすこと」であるなら、台南にあるこのホテル以上に最適な場所はありません。ここは、ホステルを併設していますが、その本質は「泊まれるライフスタイルセレクトショップ」です。
古い建物の無骨なコンクリートと、温かみのあるモダンなインテリアが見事に融合した空間。館内にはセンスの良い本や雑貨が並ぶショップが併設され、施設全体が知的な刺激に満ちています。もちろん、宿泊エリアはカードキーがないと入れないため、セキュリティも万全です。このホテルが提供するのは、ただ快適なだけでなく、定期的に開催されるワークショップやイベントを通じて、台南のローカルカルチャーの最前線に深く触れることができるという、唯一無二の体験価値なのです。
こんな旅におすすめ
ガイドブックに載っているだけの観光では物足りない、クリエイティブな一人旅に。新たなインスピレーションや、人との出会いを求めるあなたに、最高の刺激を与えてくれるはずです。
家族旅行に!子供向け設備が充実した子連れフレンドリーホテル


自分の子供を連れて旅行するようになって、僕が痛感したことがあります。それは、子連れ旅行におけるホテル選びは、もはや「宿探し」ではなく、旅全体の成否を左右する「基地設営」だということです。子供が飽きずに過ごせて、親も心からリラックスできる。そんな理想的な「基地」を見つけられるかどうかで、旅の思い出の色はまったく変わってきます。
そこでこのセクションでは、単に「子連れOK」というレベルではなく、私が父親としての視点から「これなら、お父さんお母さんが本当に助かる!」と心から思える、以下の3つの基準をクリアしたホテルだけを厳選しました。
プロが実践する「子連れフレンドリーホテル」3つの選定基準
- 子供のエネルギーを発散させる設備:天気が悪くても子供が退屈しない「キッズスペース」や「プール」があること。
- 親のストレスを軽減する客室とサービス:「ベビーベッド」の貸出や、洗い場付きのバスルームなど、痒い所に手が届くこと。
- 移動の負担を最小化する立地:ベビーカーでの移動が楽で、駅や主要施設に直結しているなど、圧倒的な利便性があること。
リージェント台北 (Regent Taipei)
「せっかくの家族旅行だから、少し贅沢をしてでも、大人も子供も満足できる王道のホテルに泊まりたい」。そんなあなたに最適なのが、台北・中山エリアにそびえ立つ老舗の5つ星ホテル、リージェント台北です。ここの強みは、なんと言っても高級ホテルならではの盤石なサービスと、子供を飽きさせない設備の完璧な両立にあります。
特に素晴らしいのが、屋上にある通年利用可能な温水プール。季節を問わず楽しめるこのプールは、子供たちのエネルギーを発散させるのに最高の場所です。また、朝食ビュッフェは種類の豊富さもさることながら、パンケーキやワッフル、新鮮なフルーツなど、子供のテンションが上がるメニューがしっかり揃っているのが嬉しいポイント。事前にリクエストすれば、ベビーベッドやベッドガードも用意してくれるなど、高級ホテルならではの隙のない対応力は、家族旅行に絶大な安心感をもたらしてくれます。
こんな家族におすすめ
三世代での旅行や、ホテルでの滞在時間もゆっくり楽しみたい家族に。中山エリアは落ち着いた雰囲気で、家族向けのレストランも多いのが特徴です。
シーザーパークホテル台北 (Caesar Park Hotel Taipei)
このホテルの価値は、言葉で説明するよりも、この一言に集約されます。「空港MRTを降りてから、一度も外に出ることなく、ホテルのロビーに辿り着ける」。台北駅の真上に位置するこのホテルが提供するのは、「便利」という言葉を遥かに超えた「ストレスフリー」という最高の体験です。
ベビーカーと大きなスーツケースを抱え、ぐずる子供をなだめながら、慣れない異国の地でホテルを探す…そんな悪夢のようなシナリオとは無縁です。ホテルは台北駅のM6出口に直結。つまり、台湾の新幹線や鉄道、地下鉄のすべてがあなたの足元にあるということ。これは、子連れ旅行における「移動」という最大の課題を、完全に無力化してくれる圧倒的なアドバンテージです。ホテル自体は少し年季が入っていますが、それを補って余りあるこの立地の価値は、一度体験すると他のホテルには戻れなくなるほどです。
こんな家族におすすめ
とにかく移動の負担を減らしたい、アクティブに多くの場所を観光したい家族に。駅ビルにはフードコートや薬局もあり、急な発熱やオムツ切れにも即座に対応できます。
シャトー・デ・シン 高雄 (Chateau de Chine Hotel Kaohsiung)
もしあなたの旅の目的地が南国の高雄なら、このホテルを選ばない手はありません。ヨーロッパの城のような夢のある外観を持つこのホテルは、もはや宿泊施設というより「子供のためのアミューズメント施設」と言った方が正確かもしれません。
7階には広々とした屋外プールがあり、さらに特筆すべきは、「Fun Fun Land」と名付けられた巨大な屋内キッズプレイランド。ボールプールや滑り台などが設置され、雨の日でも子供たちはここで何時間でも遊んでいられます。これは、観光中心になりがちな旅行の中で、子供が主役になれる時間を作ってあげられるという点で、非常に価値があります。「今日は一日、ホテルで遊ぼう!」という選択ができるこのホテルは、親にとっても心強い休息の時間を提供してくれる、最高の「基地」となるでしょう。
こんな家族におすすめ
観光だけでなく、ホテルでのんびり過ごす「ホテルステイ」も旅の目的に含めたい家族に。特に、まだ長時間の観光が難しい未就学児連れの旅行では、最高の選択肢となります。
特別な記念日に!一度は泊まりたい極上の高級ホテル


誕生日や結婚記念日、あるいは人生の節目を祝う旅。そんな特別な旅行において、ホテルを選ぶことは単なる「消費」ではありません。それは、二人の記憶に永遠に刻まれる、かけがえのない時間と体験への「投資」だと私は考えています。
だからこそ、価格というモノサシだけでは決して測れない、「ここに泊まること自体が旅の目的になる」ような、本物の価値を持つホテルを選ぶべきです。ここでは、そんなあなたの特別な一日を、最高の思い出へと昇華させてくれることをお約束できる、以下の3つの基準をクリアした珠玉のホテルだけを厳選しました。
記念日を彩る「極上ホテル」3つの選定基準
- 非日常を演出する圧倒的な空間美:ロビーに一歩足を踏み入れた瞬間から、現実を忘れさせてくれること。
- 記憶に残る卓越したサービス:こちらの期待を半歩先読みするような、心に響くホスピタリティがあること。
- 記念日を特別にするプラスαの仕掛け:二人だけの時間をより豊かにするための、唯一無二の施設や体験があること。
マンダリン オリエンタル 台北 (Mandarin Oriental, Taipei)
もしあなたが記念日に「完璧」を求めるなら、その答えはここにあります。ヨーロッパの宮殿を彷彿とさせるクラシックで重厚な建築と、寸分の隙もないサービス。ここは、あなたを物語の主人公にしてくれる、荘厳な舞台装置のようなホテルです。
このホテルの本質は、世界中のVIPを唸らせてきた「ゲストの期待を常に超える」という伝説的なホスピタリティにあります。例えば、予約時に結婚記念日での滞在であることをそっと伝えれば、チェックインの際にさりげない祝福の言葉と共に、部屋にはメッセージカードとシャンパンが用意されている…といった、心憎いまでの演出が期待できます。館内にある「ザ・スパ」は数々の国際的な賞を受賞しており、夫婦二人で受けるカップルトリートメントは、まさに五感を満たす至福の体験。特別な一日を、最もエレガントに締めくくることができるでしょう。
こんな記念日におすすめ
クラシックな雰囲気と、伝統に裏打ちされた最高品質のサービスを求めるご夫婦に。「本物」の贅沢の中で、王道かつ完璧な記念日を過ごしたい方に最適です。
W 台北 (W Taipei)
クラシックな豪華さとは対極の、モダンで刺激的な記念日を演出したいなら、W台北以上の選択肢は存在しません。台北の流行を牽引する信義エリアのランドマーク的存在であるこのホテルは、まさに「大人の遊び場」です。
特筆すべきは、台北101の夜景を一望できる10階の屋外プール「WET Deck」と、併設されたプールサイドバー「WET Bar」。心地よい音楽に身を委ねながら、美しい夜景を眺めカクテルを酌み交わす時間は、他のどのホテルでも味わえない、スタイリッシュで忘れられない思い出になります。また、「Whatever/Whenever®(お望みのものを、お望みのときに)」という24時間対応のコンシェルジュサービスは、あなたの「こんなサプライズがしたい」という無茶なお願いにも、全力で応えてくれる心強い味方です。
こんな記念日におすすめ
アクティブで、常に新しい刺激を求めるエネルギッシュなご夫婦・カップルに。最新のトレンドを感じながら、ドラマティックで非日常的な記念日を過ごしたい方にぴったりです。
ザ・ラーチャー (The Lacle Hotel) – 台南
もしあなたが記念日に求めるものが「喧騒からの解放」と「二人だけの静かな時間」であるなら、古都・台南のこのホテルが、その願いを完璧に叶えてくれます。中心部の賑わいから少しだけ距離を置いた場所に佇む、まるでプライベート美術館のようなホテルです。
館内の至る所に配された現代アートや、光と影を巧みに利用した建築デザインが、知的な落ち着きに満ちた空間を創出しています。このホテルの最大の贅沢は、驚くほど静かな環境の中で、ただただゆったりと流れる時間そのものを味わえること。豪華な設備をひけらかすのではなく、ミニマルな美意識の中に、本質的な豊かさが宿っています。レベルが高いと評判のレストランで静かにディナーを楽しんだ後、部屋で語り合う。そんな、派手さはないけれど心に深く残る、上質な記念日を過ごしたい二人にとって、ここは最高の隠れ家となるでしょう。
こんな記念日におすすめ
人混みを避け、静かで知的な環境で、二人だけの対話の時間を大切にしたいご夫婦に。物質的な豪華さよりも、精神的な豊かさを求める記念旅行に最適です。
【プロのTIPS】記念日旅行を成功させるための3つの事前準備
- 予約時に「記念日であること」を必ず伝える:予約サイトの備考欄に「This is for our wedding anniversary.」のように、目的を英語で一言添えるだけで、ホテル側の対応が変わることがあります。
- サプライズは事前にメールで相談する:ケーキや花の用意といった具体的なサプライズは、滞在中にフロントでお願いするのではなく、予約後にホテルのコンシェルジュ宛にメールで相談しておくのが最もスマートで確実です。
- レストランの予約も忘れずに:特別なディナーを計画しているなら、席の確保はもちろん、窓際の席など眺めの良い席をリクエストするためにも、日本から予約しておくことを強くおすすめします。
【独自テーマ】リピーターにおすすめ!台湾のデザイナーズホテル・リノベホテル


さて、このセクションは、すでに台北101の展望台からの景色も、九份の赤い提灯も体験した、そんなあなたのような「台湾リピーター」の方に向けて、少し特別な話をしたいと思います。二度目、三度目となると、もうガイドブックに載っているだけの場所では物足りなくなってきますよね。
もっとディープな台湾の魅力、特に近年世界から注目を集めている台湾のクリエイティブな側面に触れたい。そう考えるなら、ホテル選びの基準を少し変えてみませんか?ホテルを単なる「寝る場所」ではなく、「旅の目的地そのもの」として選ぶのです。これから紹介するのは、泊まること自体が忘れられない体験となる、台湾の今を体現するようなホテルたちです。



僕にとって、こういうホテルを選ぶのは、旅の相棒を選ぶ感覚に近いんです。安定感のある大手ホテルが「信頼できる旧友」なら、デザイナーズホテルは「まだ知らない世界を見せてくれる、刺激的でクリエイティブな友人」。
そんな友人と一緒に、まだ見ぬ台湾の顔を探しに行きませんか?
プレイデザインホテル 台北 (Play Design Hotel)
ここは、もはやホテルという言葉では表現しきれない、台湾のデザインと創造性を全身で浴びることができる「泊まれるショールーム」です。このホテルの驚くべき点は、客室ごとに異なる台湾のデザイナーとコラボレーションしており、部屋にある家具、照明、食器、アート作品のほとんどが、彼らの手による一点モノであること。
つまりあなたは、ただ宿泊するだけでなく、台湾デザインの最前線に「住む」という体験をするわけです。気に入った家具や雑貨があれば、その場で購入できることも。立地も、観光客で賑わうエリアから少しだけ離れた、よりローカルな空気が流れる大同区。すぐ近くには地元民で賑わう「寧夏夜市」があり、リピーターだからこそ楽しめるディープな台北を味わう拠点としても最適です。
知っておきたいこと
デザイン性を最優先しているため、客室のレイアウトがユニークな場合があります。機能性や収納スペースを重視する方には、少し不便に感じる瞬間があるかもしれません。
ザ・タンゴホテル 台北南西館 (The Tango Hotel Taipei Nanshi)
一日中歩き回り、美味しいものを食べ尽くした後にホテルに求めるもの。それが「完璧なリラックス」であるなら、このホテルチェーンの右に出るものはありません。タンゴホテルは、特に客室での滞在体験の質を極限まで高めることに注力しているのが特徴です。
ほとんどの客室に、足を伸ばしてゆったりと浸かれる大きなバスタブ(一部はジェットバス付き)と、高品質な音響で知られるJBLのBluetoothスピーカーが標準装備されています。好きな音楽をかけながら、旅の疲れを湯船で癒す時間は、まさに至福。リピーターだからこそ、観光を詰め込みすぎず、ホテルで過ごす時間を贅沢に楽しむ。そんな大人の旅のスタイルを、このホテルは完璧にサポートしてくれます。中山エリアの少し落ち着いた場所に位置し、周辺にはセンスの良いレストランやバーも多く、夜の楽しみにも事欠きません。
知っておきたいこと
デザインはモダンで少し大人向け。照明もやや暗めに設定されているため、部屋全体が明るくないと落ち着かない、という方には好みが分かれる可能性があります。
安巣(アンス) DQ (An-Stw DQ) – 高雄
「リノベーションホテル」という言葉の、本質的な意味を体験したいなら、港町・高雄にあるこのホテルがその答えを教えてくれます。ここは、ただ内装をお洒落にしただけではありません。かつてこの街を支えた古い金属加工工場を、その記憶ごとコンバージョンした宿なのです。
吹き抜けの高い天井、むき出しのコンクリートの壁、そして随所に残された工場の痕跡。これらは単なるデザインではなく、この建物が持つ「歴史」そのものです。高雄という都市が、工業港として発展し、そして今、アートと文化の街へと生まれ変わろうとしている、そのダイナミズムの真っ只中に身を置く。これこそ、リピーターが求める知的な旅の醍醐味ではないでしょうか。駁二芸術特区にも近く、高雄のクリエイティブシーンを感じる拠点として、これ以上の場所はありません。
知っておきたいこと
リノベホテルの宿命として、最新の高級ホテルのような完璧な防音性を期待するのは難しいかもしれません。隣室の物音が少し聞こえることも含めて「味」だと楽しめる、旅慣れた方向けの選択肢と言えるでしょう。
これで安心!予約からチェックアウトまでのQ&A


最後に、ホテルを予約してから実際に滞在するまでに、多くの人が疑問に思うであろう点をQ&A形式でまとめてみました。これさえ読んでおけば、現地で慌てることも少なくなるはずです。
このセクションのポイント
【予約・支払い編】
素晴らしいホテルが見つかった!さあ予約だ!…と、その気持ち、よく分かります。ですが、興奮して予約ボタンを押す前に、ほんの少しだけ立ち止まってください。ここでは、あなたの金銭的、手続き的な不安を完全にゼロにするための、「予約前の最終確認リスト」とも言える重要な情報をお伝えします。これさえ押さえれば、もう何も心配ありません。



若い頃、僕も予約条件をよく読まずに「返金不可」の格安プランに飛びついて、急な出張でキャンセルせざるを得なくなり、宿泊費を全額無駄にした苦い経験があります…。あなたには、そんな思いをしてほしくない。だからこそ、ここは少しだけ慎重にいきましょう。
日本語が通じるホテルの見つけ方と予約時の確認点
特に海外旅行が初めての方にとっては、日本語が通じるかどうかは死活問題に感じられるかもしれませんね。結論から言うと、台北の主要なホテル、特に日系ホテル(ホテルグレイスリー、オークラプレステージ台北など)や5つ星クラスの高級ホテルであれば、かなりの高確率で日本語対応可能なスタッフが常駐しています。
予約サイトの絞り込み機能で「日本語」を選択したり、口コミで「日本語が通じた」という最新のレビューを探したりするのが確実です。ただ、覚えておいてほしいのは、たとえ日本語対応スタッフがいなくても、現代には翻訳アプリという強力な味方がいます。簡単な単語とジェスチャー、そして翻訳アプリがあれば、滞在中のほとんどのことは解決できます。ですから、過度に心配しすぎず、選択肢を狭めないことも大切ですよ。
ホテルの一般的なチェックイン・チェックアウト時間
台湾のホテルの一般的な時間は、日本とほぼ同じと考えて問題ありません。
- チェックイン: 15:00以降
- チェックアウト: 11:00または12:00まで
LCCの早朝便などで午前中に到着した場合でも、ほとんどのホテルではチェックイン時間まで快く荷物を預かってくれます。チェックアウト後も同様に、夜のフライトまで荷物を預かってもらえますので、フロントで気軽に「Could you keep my luggage?(荷物を預かってもらえますか?)」と尋ねてみてください。
アーリーチェックイン/レイトチェックアウトは可能?
「追加料金を払ってでも、早めに部屋に入りたい/遅くまで部屋を使いたい」というニーズもあるでしょう。これらはホテルの空室状況によるため「確約」は難しいことが多いですが、追加料金で対応してくれる場合もあります。希望する場合は、予約サイト経由などで事前にホテルへ相談してみる価値はあります。
支払い方法:「事前決済」と「現地決済」はどちらが賢い?
予約を進めると、「事前決済」か「現地決済」かを選ぶ場面が出てきます。特に初心者の方は迷うかもしれませんが、それぞれのメリット・デメリットを理解すれば、選択は簡単です。
- 事前決済:予約時にクレジットカードで全額を支払う方法。
- 現地決済:チェックインまたはチェックアウト時に、現地通貨(台湾ドル)かクレジットカードで支払う方法。
【結論】初心者ほど「事前決済」がおすすめ
私個人の意見としては、特に海外旅行に不慣れな方には圧倒的に「事前決済」をおすすめします。なぜなら、①予約時の為替レートで決済されるため、その後の円安リスクがない、②現地で多額の現金を持ち歩いたり、慣れない外貨での支払いに戸惑ったりする必要がない、という大きなメリットがあるからです。旅のストレスは、一つでも少ない方がいいですからね。
【最重要】キャンセルポリシーの正しい見方
予約時に、宿泊料金の数字と同じくらい、いや、それ以上に注意深く読むべきなのが、この「キャンセルポリシー」です。ここを見落とすと、数万円単位の損失に繋がる可能性があります。
チェックすべきポイントは非常にシンプル。「いつまでなら、無料でキャンセルできるのか?」の一点です。「予約日の〇日前までキャンセル無料」と書かれている場合、その「〇日前」が具体的にいつを指すのか(例:チェックイン日の前日23:59まで、など)を正確に把握してください。そして、少しでも予定が変更になる可能性があるのなら、「返金不可」と書かれた格安プランには、絶対に手を出してはいけません。数千円の安さのために、全額を失うリスクを冒すのは賢明とは言えません。
デポジット(保証金)は必要?いくら準備すべき?
これは少し旅慣れた方でも気になる点かもしれません。台湾の中級以上のホテルでは、チェックイン時に「デポジット(保証金)」を求められるのが一般的です。これは、客室内の備品破損やミニバー利用などに備えた、ホテル側の保険のようなものです。
金額はホテルのランクにより様々ですが、1泊あたり1,000~3,000台湾ドル(約5,000円~15,000円)程度が相場。支払い方法は現金でも可能ですが、クレジットカードで支払うのが最もスマートです。これは実際に請求されるわけではなく、カードの利用枠を一時的に確保(プリオーソライズ)するだけ。何も問題がなければ、チェックアウト後しばらくして自動的に利用枠が解放される仕組みなので、安心してください。
【設備・アメニティ編】
ホテルでの滞在を快適に過ごす上で、客室の設備やアメニティの充実は欠かせませんよね。しかしここで一つ、心に留めておいてほしいことがあります。それは、「日本のホテルの当たり前は、台湾のホテルの当たり前ではない」ということです。
この「ちょっとした違い」を知らないままだと、「あれ、パジャマがない…」「コンセントの形は同じなのに、ヘアアイロンが壊れた…」といった、地味ながらも旅のテンションを確実に下げるトラブルに見舞われかねません。ここでは、そんな残念な事態を回避し、日本にいる時と同じようにストレスフリーな滞在を実現するための、実践的な知識を解説します。
基本アメニティ(パジャマ・歯ブラシ・ドライヤー)の有無
まずは、多くの方が気になるであろう基本的なアメニティについてです。結論から言うと、「あるもの」と「ないもの」が明確に分かれています。
アイテム | 有無の傾向 | 【プロの視点】知っておくべき補足事項 |
---|---|---|
歯ブラシ・タオル類 | ほぼ全てのホテルにある | 環境保護の観点から、歯ブラシの持参を推奨するホテルも増えています。エコ意識の高い方は持参するとスマートです。 |
ドライヤー | ほぼ全てのホテルにある | ただし、日本の高機能なものと違い、壁に固定された風量の弱いタイプが主流です。髪の長い方や朝の準備に時間をかけたくない方は、海外対応の製品を持参することをおすすめします。 |
パジャマ・寝巻き | まず、ない | これは台湾のホテルの常識です。中級以上のホテルでも、バスローブはあってもパジャマはありません。必ずご自身のものを持参してください。 |
バスルーム(バスタブ・水回り)の注意点
旅の疲れを癒すバスタイム。特に「湯船に浸からないと一日が終わらない!」というあなたのような方にとっては、ここは絶対に妥協できないポイントでしょう。しかし、台湾のホテル選びでは、この水回りにこそ注意が必要です。
【最重要】バスタブ(浴缸)に関する2つの罠
前述の通り、台湾のホテル、特に1泊1.5万円以下の価格帯ではバスタブがなくシャワーのみ(淋浴)の部屋が主流です。バスタブが必須な方は、予約前に以下の確認を徹底してください。
- 公式サイトで「浴缸」の表記を確認する:
「安全性」のセクションでも触れましたが、これが最も確実な方法です。予約サイトの写真だけで判断するのは危険です。 - 口コミで「水浸し」のコメントがないか確認する:
バスタブがあっても、シャワーカーテンがなかったり、洗い場の設計が悪かったりして「シャワーを浴びると、トイレの床まで水浸しになる」というケースが、古いホテルでは稀にあります。予約サイトの口コミで「バスルーム」や「水回り」といったキーワードで検索し、同様の不満が書かれていないかを確認しましょう。
台湾のコンセント形状と変圧器の必要性
電子機器の充電は、現代の旅行における生命線。ここで間違うと、スマホがただの文鎮になりかねないので、正確に理解しておきましょう。
台湾の電源事情まとめ
- コンセントの形状:日本と同じ「Aタイプ」です。したがって、変換プラグは必要ありません。
- 電圧:日本(100V)とは異なり、台湾は「110V」です。
「電圧が違うなら、変圧器が必要なの?」と思うかもしれませんが、慌てないでください。お持ちの電子機器のACアダプター(充電器)の裏側を見てみましょう。そこに「INPUT: 100-240V」といった表記があれば、それは「ユニバーサル対応」なので、変圧器なしでそのまま台湾でも使えます。最近のスマートフォン、PC、カメラの充電器は、ほぼ全てがこのタイプです。
【要注意】ただし、ヘアアイロンやドライヤーなど、熱を発する製品は日本の100V専用品が多いです。これらを台湾で使うと、最悪の場合、故障や火災の原因になります。必ず「海外対応」と明記された製品を持参してください。
ホテルでのWi-Fi利用について
今や台湾のほとんどのホテルで、無料のWi-Fiサービスが提供されています。速度も、動画視聴やSNSの閲覧には全く問題ないレベルのところがほとんど。チェックイン時に渡される案内にIDとパスワードが書かれていますので、それを入力すればすぐに利用できます。



ただ、一つだけ専門家としてアドバイスさせてください。ホテルのWi-Fiは多くの人が利用する公共の電波です。セキュリティの観点から、クレジットカード情報の入力やネットバンキングの利用といった、非常に重要な個人情報の通信は、ホテルのWi-Fi経由では行わないのが賢明です。そういった作業は、ご自身で用意したポケットWi-Fiや、スマートフォンのSIMカード経由で行うようにしましょう。備えあれば憂いなし、ですからね。
【滞在中の注意点編】
ホテルを無事に予約し、いよいよ旅の準備も最終段階ですね。最後に、あなたが台湾に到着してから、よりスムーズで快適な滞在を送るための「現地の常識」についてお話しします。
これからお伝えするのは、多くのガイドブックでは省略されがちな、しかし知っているかいないかで滞在中のストレスが大きく変わる、細やかで実践的な情報です。僕自身も旅先で何度も「あ、そうだったのか!」と学んできたことばかり。この最後の知識をインプットして、現地では達人のようにスマートに振る舞いましょう。
トイレットペーパーは流していい?台湾のトイレ事情
これは、台湾を旅する誰もが一度は疑問に思うことでしょう。かつて「台湾のトイレットペーパーはゴミ箱に捨てるのが常識」と言われた時代もありましたが、状況は大きく変わってきています。
結論から言うと、あなたが宿泊するような比較的新しいホテルや、デパート、MRTの駅のトイレでは、基本的に日本と同じように流して問題ありません。
では、なぜ「流せない」というイメージが残っているのか。それは、古い建物や一部のローカルな食堂などでは、日本のものより配水管が細く、水に溶けにくいペーパーもまだ使われているため、詰まりやすいという背景があるからです。見分け方は簡単。
トイレでの判断基準
便器の横に、使用済みペーパーを入れるための大きなゴミ箱が設置されていて、「請勿將衛生紙丟入馬桶(トイレットペーパーを便器に流さないでください)」といった注意書きがあれば、それに従いましょう。特に何もなければ、流して大丈夫だと判断してOKです。
ホテルでのチップは必要?台湾のチップ文化
海外旅行で悩ましいのがチップの習慣ですよね。この点において、台湾は日本人にとって非常に気楽な国です。なぜなら、日本と全く同じで、基本的にチップの習慣はないからです。
その理由は、多くのレストランやホテルでは、あらかじめ料金に10%の「服務費(サービス料)」が含まれているため。つまり、あなたはすでにサービスに対する対価を支払っている、という考え方なのです。
もちろん、これは義務ではありませんが、高級ホテルでベルスタッフに部屋まで重い荷物を運んでもらったり、コンシェルジュに予約困難なレストランの席を確保してもらうなど、特別なサービスに対して感謝の気持ちを表したい。そんな時には、50~100台湾ドル(約250円~500円)程度の紙幣を、「謝謝(ありがとう)」の一言と共にスマートに渡すと、より良い関係が築けるでしょう。
意外と厳しい?室内の禁煙ルールと騒音
日本では少しずつ変わりつつありますが、台湾は喫煙に対して非常に厳しい国です。ホテルの客室は、バルコニーも含めて「完全禁煙」であると心得てください。もし違反が見つかると、高額な罰金(法律上は最大10,000台湾ドル)と清掃費用を請求されます。喫煙者の方は、必ずホテルの屋外に設けられた指定の喫煙場所を利用しましょう。
また、台湾の建物の壁は、日本のマンションなどに比べて薄い場合も少なくありません。特に夜22時以降は、室内で大声で話したり、テレビの音量を上げすぎたりしないよう、隣室への配慮を忘れないようにしたいですね。
【最重要】万が一の時のための緊急連絡先
最後に、これは全ての旅行者に、旅のお守りとして必ず控えておいてほしい情報です。使う機会がないことが一番ですが、知っているというだけで、心の余裕が全く変わってきます。



旅慣れた僕でも、海外の渡航先では、まずこの緊急連絡先をスマートフォンのメモ帳に保存し、さらに紙にも書き出して財布に入れています。たった1分の作業が、最悪の事態を救う最良の備えになりますよ。
【お守り】台湾での緊急連絡先リスト
- 警察: 110
- 消防・救急車: 119 (日本と同じです)
- 海外からかける場合: +886-110 / +886-119
- 公益財団法人日本台湾交流協会 台北事務所(日本の実質的な大使館):
パスポートの紛失・盗難や、大きな事件・事故に巻き込まれた際の相談窓口です。
電話番号:(02)2713-8000
また、これらに加え、宿泊しているホテルの名刺(住所と電話番号が書かれたもの)を常に一枚、お財布に入れておきましょう。道に迷った時や、タクシーでホテルに戻りたい時に、運転手さんに見せるだけでスムーズに帰ることができます。
まとめ:最高の台湾旅行は、あなたにぴったりのホテル選びから始まる


ここまで、僕が台湾を旅する中で培ってきたホテル選びのコツについて、余すところなくお話ししてきました。いかがでしたでしょうか。
「航空券を安く手に入れたから、ホテルも賢く選んで思いっきり楽しみたい」「初めての海外旅行だから、何よりも安心できる場所を選びたい」「大切な記念日だから、少し贅沢でも快適な空間で過ごしたい」。あなたがどんな想いで台湾旅行を計画しているにせよ、最高の思い出作りは、あなたにぴったりのホテルを見つけることから始まる、ということが少しでも伝わっていれば、僕としては嬉しい限りです。



僕自身も、最初はたくさんの情報に惑わされ、ホテル選びで失敗したことも一度や二度ではありません。だからこそ、この記事を読んでくださったあなたには、遠回りすることなく、最短距離で満足のいくホテルに辿り着いてほしい。そんな気持ちで、僕の知識と経験を全て詰め込みました。
それでは最後に、最高のホテルを見つけるための重要なポイントを、もう一度リストで確認しておきましょう。これだけ押さえておけば、もうホテル選びで迷うことはないはずです。
- 旅の満足度はホテル選びで大きく変わることを意識する
- まずは「価格」「利便性」「雰囲気」など自分の旅の目的を明確にする
- 予約サイトは目的に応じて使い分けるのが基本戦略
- 安さやセールを狙うならアジアに強いAgodaをまずチェック
- 情報の信頼性や口コミの量で選ぶなら世界最大手のBooking.com
- 航空券とセットで予約するならExpediaの割引が強力
- ホテル選びで最も重要なのは旅の目的に合ったエリア選定
- 台北なら台北駅・中山・西門町・東区などの特徴を理解して選ぶ
- 清潔さと立地を両立したいなら1泊1万円前後が一つの目安になる
- 予約サイトの口コミは総合評価だけでなく悪い内容と最新情報を重視する
- 【最重要】トコジラミ対策として部屋に入ったら荷物を置く前にベッド周りをチェック
- 台湾のホテルではパジャマや寝巻きがないことが多いため持参が必須
- コンセント形状は日本と同じAタイプだが電圧の違いには注意する
- トイレットペーパーは新しいホテルなら流せるが古い建物では備え付けのゴミ箱へ
- 台湾にはチップの習慣は基本的にない
ホテルは、単に夜寝るだけの場所ではありません。旅の拠点であり、疲れた体を癒す場所であり、時にはそれ自体が忘れられない思い出の一部にもなります。
さあ、この記事で得た知識は、あなたの旅を成功させるための強力な武器になるはずです。もう不安に思う必要はありません。自信を持って、あなたの素晴らしい台湾旅行を形にするための第一歩を踏み出してください。
もし、どこから手をつけていいか迷ったら、まずはセール情報が豊富で、思わぬ掘り出し物が見つかることもある予約サイトを覗いてみるのがおすすめですよ。画面を眺めているだけでも、きっと旅への期待が膨らんでくるはずです。